福を呼ぶ街、西宮〜伝統とモダンが交差する特別なひととき〜①

福を呼ぶ街、西宮〜伝統とモダンが交差する特別なひととき〜①
宋 星穎(そん しんいん)

Contributor : 宋 星穎(そん しんいん)

Nationality : 台湾

宋 星穎(そん しんいん)/台湾出身。2017年に交換留学生として来日後、日本の大学院に進学。現在はマーケターとして日本企業で働いている。兵庫県に住んで4年目。

最初は1年間だけの留学で日本に暮らすつもりでした。しかし住んでいるうちに「日本の文化にもっと触れたい!」と思うようになり、そのまま大学に進学することに。長崎に3年、兵庫に4年住んでいます。新しい年が始まって間もない1月のある日、西宮を街歩きすることに。狙いは神事「福男選び」への挑戦。西宮神社で深夜のスタート地点の抽選があるため、少し早く西宮へ向かい、憧れの甲子園(日本の有名な野球スタジアム)にも行ってみることにしました。 

 

 

まずは、学生時代に台湾映画で見た憧れの阪神甲子園球場へ!

 

大阪市と神戸市のほぼ中間にあり、関西圏の主要都市へのアクセスが良好な街、西宮。商業施設が充実している一方で、大阪湾の海や六甲山系の山々が広がり、自然を感じることもできる町です。西宮と言えば、日本高校球児の憧れの地である阪神甲子園球場や「福男選び」で知られる西宮神社がある街としても有名。どちらも日本人にとって、努力と夢の舞台です。

 

 

阪神甲子園球場の100年の伝統が紡ぐストーリーに感動!

 

阪神甲子園球場。阪神電鉄「甲子園」駅から徒歩約4分

 

西宮の象徴的な場所、阪神甲子園球場。ここは毎年、春と夏に行われる「全国高等学校野球選手権大会」の舞台で、高校球児の憧れの地。青春を懸けたプレーは多くの人に感動を与え、日本の風物詩となっています。また、プロ野球球団の阪神タイガースのホームグラウンドでもあり、阪神タイガース戦の日には、熱狂的なタイガースファンが全国から訪れます。 阪神甲子園球場が建てられたのはおよそ100年前の1924年。収容人数は55,000人と、当時は世界最大級の規模だったとか。存在感のある外観に歴史の重みを感じました。併設される甲子園歴史館で、もっと甲子園を深掘りしてみよう!

 

いざ、甲子園歴史館へ

 

阪神タイガースの名選手を紹介する展示コーナー「ヒーロー列伝」

 「ボールウォール4253」では、2005年当時の日本高等学校野球連盟加盟校数と同じ4253個の白球に、甲子園出場校の名前が印字されている

 

甲子園歴史館は、商業施設 甲子園プラスの2階のPLUSエリアと、デッキを渡った先の球場エリアとの2つがあります。過去に甲子園で行われた、高校野球や阪神タイガースの試合の名シーンが紹介されていました。学生時代に観た台湾映画に登場した野球のユニフォームも発見。人々の青春、努力、涙が詰まった甲子園のエピソードに触れて、思わず目頭が熱くなりました。 展示コーナーを進むと、お客さんが楽しんでいる声が聞こえてきました。何のエリアでしょう……?

 

球場リニューアル前のベンチを再現した「ダッグアウトレスト」

 

ここは「体験!タッチスタジアム」という人気のエリア。阪神タイガースの選手が実際に使用した野球用具に触ったり、360°映像を楽しめる「VRコーナー」や、ドラフト指名を受けた気分を味わえる「ドラフト体験コーナー」がありました。私は早速、VRコーナーを体験しました。

 

360°映像を楽しむことができるVRコーナー

 

VRコーナーでは、試合の様子や阪神タイガースが優勝した際の胴上げのシーンなどを、圧倒的な臨場感と没入感で体験できるVR(バーチャル・リアリティー)映像が導入されていました。選手の視点で、普段では決して味わえない目線からの景色に思わず興奮!歓喜の瞬間を疑似体験できました。

 

 

投げて、打って、バーチャル野球に挑戦!

続いて、阪神甲子園球場がCGで完全再現されたバーチャルバッティングセンター BE-STADIUM KOSHIEN へ。大型スクリーンに向かってバッティングやピッチングができます。

 

ピッチャーになりきって、スクリーンに向かって投球!

 

こちらはバッティング。15m先から投げられる球を打ち返す

 

遊び心でチャレンジしたのですが、なかなか難しい!自分の打球や投球がスクリーン上に反映され、まるで甲子園で野球をしている気分に。つい本気モードになりました。これはハマりそうです。私のような実際に野球をやったことがない人でも野球の楽しさに触れることができました。ぜひ友達にも勧めたいです。

 

阪神甲子園球場を満喫した後は、甲子園エリアを散策してみることに。

 

 

散策のスタートは、西宮のモダニズム建築を巡る

 

地元の愛称「マンボウトンネル」

 

西宮は、実はモダニズム建築の宝庫とも言えるエリア。モダニズム建築は、シンプルなデザインと機能性を追求した20世紀の建築様式で、西宮市にはそのエッセンスを感じられる建築物が多く点在しているとのこと。JR「甲子園口」駅を西に線路沿いを300メートルほど進むと、背丈の低いトンネルがありました。1874年頃に線路下を水路が流れるように作ったトンネルで、後に利便性から人が通れるような大きさに作り変えたものだそうです。 恐るおそる入ってみると……

 

高さ約130センチ、幅は約150センチ。これくらい!

 

向こうから来る人とすれ違うのは難しそう。地元の方は慣れたもので、買い物や通学など生活道路として使っているそうです。地域の生活に密着しながら、デザイン性と実用性を両立している点にとても惹かれました。歴史的デザインを維持したまま、街の人が生活導線としても使っているなんて素晴らしいですね! なかなかスリルがあって楽しかったです。このまま線路沿いを歩き、西宮の東側を流れる武庫川に向かってみました。

 

 西宮市と尼崎市の境界にある武庫川に架かる武庫大橋

 

20分ほど歩くと見えてきた武庫大橋。1926年に建てられたアーチが、周囲の自然と見事に調和していて美しかったです。また、川沿いで散歩やランニングを楽しむ人々の姿がありました。穏やかな風景を見ていると、時間を忘れてしまいそう。のんびりと風景を眺めながら、さらに武庫川エリアを散策しました。

 

 武庫川女子大学甲子園会館(旧甲子園ホテル)

 

武庫大橋から徒歩で約10分、歴史的建造物として知られる武庫川女子大学甲子園会館に。この甲子園会館は元リゾートホテルで、1930年に「甲子園ホテル」として竣工されました。現在は、武庫川女子大学のキャンパスになっています。昔の客室は教室に変わっていますが、外観は原形の状態に修復され、事前に予約すれば見学することもできます。モダニズム建築を巡る西宮の街歩きは、道沿いの家々や建物も洗練されたお洒落なデザインのものが多くあり、見応えがありました。街路樹や緑が多くて、静かで住みやすそうな街。私がいつかマイホームを購入するなら、このエリアもいいな……と妄想に耽りながら駅に戻っていると、赤と白の素敵な外観のお店を発見!

 

 

スリランカの香りを楽しむ、ムレスナティーとの出会い

 

MLESNA TEA HOUSE 総本店。JR「甲子園口」駅から徒歩約14分

 

白いレンガ造りと赤い柱が印象的な MLESNA TEA HOUSE 総本店。ここの紅茶ブランドはお土産として有名ですが、お店に入るのは初めてでした。

 

紅茶のパッケージがずらりと並ぶ店内

 

ムレスナティーは、スリランカで栽培される良質のセイロンティーブランド。セイロンティーをベースに、フルーツやフラワー、スパイスの繊細なフレーバーが加えられた紅茶で知られています。そのバリエーションは100種類以上。組み合わせたオリジナルブレンドも合わせると、メニュー数は200を超えるそう。 その日は偶然、代表の方がいらっしゃり、まだ開発途中のコーヒー風味の紅茶を紹介してくださいました。

 

TEA FREE(1760円税込)

 

ムレスナティーの「TEA FREE」は、飲み放題で紅茶を楽しめます。店員さんが1杯ごとに違う種類の紅茶を注いでくれました。5種類の紅茶をいただきましたが、中でも一番気に入ったのは「木苺のメモリー」というフレーバーティー。ストロベリーの甘く爽やかな香りがふわっと広がり、渋みと甘みのバランスが絶妙でした。

 

ULTIMATE PANCAKE。TEA&FOOD SET (2970円税込、 TEA FREE付き

 

紅茶のおともは「究極のホットケーキ(※英語メニュー名→ULTIMATE PANCAKE)」。店員さんが特注の厚さ30mmの銅板でケーキを丁寧に焼き上げる様子を、カウンター席からワクワクしながら見物。ふっくらとしたホットケーキにたっぷりとキャラメルティーシロップが絡み合い、シュガーレスの紅茶との相性も抜群。贅沢なひとときを楽しむことができました。 たっぷり遊んだので、この後は西宮の憩いの場所、海辺へ行ってゆっくりします!

 

■夕方~2日目の体験はこちら

 https://www.hyogo-tourism.jp/world/reviews/39 

スポット

MLESNA TEA HOUSE 総本店
https://mlesna-tea.jp/
住所/兵庫県西宮市上甲子園1丁目1-31
TEL/0798-48-6060
営業時間/12:00〜18:00
定休日/年始、不定休
※営業時間・定休日は変更となる場合あり

 

甲子園歴史館
https://koshien-rekishikan.hanshin.co.jp/global/en/
住所/兵庫県西宮市甲子園町8-15甲子園プラス2F
TEL/0798-49-4509
営業時間/10:00~18:00(11月~2月は10:00~17:00)
※デーゲーム開催日は9:00~18:00
※最終入館は閉館時間の30分前まで
休館日/月曜日(試合開催日、祝日を除く)、年末年始
入館料/大人:900円、高校生:700円、子ども(4歳〜中学生)500円

 

BE-STADIUM KOSHIEN
https://be-stadiumkoshien.hanshin.co.jp/global/en/
TEL/0798-42-6970
営業時間/10:00~18:00(3月~10月は10:00~19:00)
※阪神甲子園球場の催し物等により変動
※受付は営業終了の20分前まで
休館日/月曜日(試合開催日・祝日を除く)、年末年始
※メンテナンス等のため休業となる場合があります。
利用料/
3種セット(バッティング・トスバッティング・ピッチング各1回):1,200円
2種セット(バッティング+トスバッティング又はピッチング各1回):900円
トスバッティング:400円
ピッチング:400円
※特別料金日は3種セットのみの販売。
※特別料金日は3種セットの料金は1,500円になります。
※特別料金日はBE-STADIUM KOSHIENホームページのカレンダーよりご確認ください。

 

阪神西宮おでかけ案内所
https://tic.jnto.go.jp/jpn/detail
住所/西宮市田中町1-16 阪神西宮駅戎口改札前
営業時間/月~金 10:00~19:00
     土日祝  9:00~17:00