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ぬくもりを感じる丹波焼の郷 〜土のぬくもりや人との出会いで心を満たす旅〜②
Contributor : アムサ ンパティン アブデル ジャリル
兵庫で働き2年半、日本の色々なところを旅しています。私の母国、西アフリカのべナンは温暖な熱帯気候で日本のような四季がないので、旅の計画をする時は、いつも日本の四季の美しさを感じられる自然豊かな場所を意識しています。旅の魅力は、常に新しい発見と出会えること。今回は、まだ訪れたことのない丹波焼の郷へ。スイーツ、工芸品、伝統など、様々な出会いを通して、心豊かにリフレッシュしてきました!
豆と栗に宿る、伝統の味わい。
「小田垣商店」の建物は、国の登録有形文化財に登録されている
丹波焼体験(詳しくは前編へ)を堪能した翌日は、バスに約45分間揺られ、行ってみたかった丹波篠山城下町へ。歴史と自然に囲まれた美しい街です。この地域は「丹波黒豆」の産地としても有名。丹波黒豆は、篠山地域の気候と土壌が育んだ大粒で濃厚な味わいの豆で、栄養価も高いブランド品。
大のスイーツ好きの私は、この丹波黒豆の絶品スイーツを食べるべく、1734年に創業した老舗黒豆専門店「小田垣商店」へ。丹波黒大豆や丹波大納言小豆をはじめとする豆類の販売をするショップと、黒豆茶や丹波栗のモンブランなどを提供するカフェ「小田垣豆堂」の複合施設です。
丹波栗をたっぷり使用した「ODAGAKI モンブラン」(1500円)
注文したのは「ODAGAKI モンブラン」。見た目はとても可愛くて、ひと口頬張ると和栗の甘味が優しく口の中に広がりました。モンブランのお供には黒豆茶(700円)。これには黒豆菓子が3種類付いてきました。おいしかったので、早速お土産に購入。
石や岩や苔で作られた庭「石庭」
目の前にはカフェの利用客だけが特別に眺めることができる「石庭」がありました。大好きなスイーツを食べながら石庭を眺めていると、心が落ち着き、平和な気持ちになりました。
歴史や文化を肌で感じる「甲冑着付け体験」でタイムトリップ。
丹波篠山市の中心にある篠山城跡は、四方を防御の要・お堀に囲まれている
木造住宅建築の篠山城大書院。1609年に篠山城と同時に建築された
より深く、この地の歴史を知るために、続いて向かったのは篠山城。この城は、1609年に将軍(←トレンドなので“SHOGUN”と訳してください)・徳川家康の命によって築かれました。天守を持たない形式が採用され、大書院が主要な建物として城の中心を担いました。大書院とは、その時代に存在した各地方の領地を統治していたリーダーである藩主の居住や政務を行う場所です。1944年に焼失してしまいましたが、篠山市民の熱い願いと寄付で2000年に再建されたそうで、今では観光名所となっています。
似合う?! 真田幸村の甲冑を体験
篠山城跡大書院へ来た目的は、「甲冑着付け体験」。選んだのは、戦国武将、真田幸村の真っ赤な兜と甲冑。甲冑の重厚感ある見た目に反して、身に付けた瞬間すごく軽くてびっくりしました。着付けをしてくれたスタッフに声をかけられながら、なりきりポーズを写真にパシャリ。大きな鹿の角が天井に頭をぶつけないように気をつけました!
日本人観光客に人気があるのは伊達政宗の黒漆で仕上げられた甲冑、私が選んだ真田幸村の甲冑は外国人観光客に人気があるようです(注:私の感想です)。
丹波焼の陶板が埋め込まれた遊び心のある道路
粛々とこの地の歴史を受け継いできた丹羽篠山。街のあちらこちらで丹波焼を見つけることができ、文化度の高さを感じました。この地に暮らす人々は、みんなフレンドリー。思い出深い出会いがたくさんありました。「大自然の中に自分1人しかいない」という時間もあり、広大な風景の中での孤独は、自分と向き合えた貴重な時間でもありました。人と出会い、土に触れ、山を歩き、季節の食材を味わったこの2日間の体験は、私の心を優しく満たしてくれるものでした。
■体験の1日目はこちら https://www.hyogo-tourism.jp/world/reviews/34
スポット
小田垣豆堂
住所/兵庫県丹波篠山市立町19番地
TEL/079-552-0011
営業時間/小田垣豆堂:11:00~17:00(16:00L.O)定休日:木曜日(祝日の場合は翌平日)・年末年始
/本店ショップ:09:30~17:30 定休日:年末年始のみ
甲冑着付け体験(篠山城大書院)
https://withsasayama.jp/oshoin_taiken_reserve/
住所/兵庫県丹波篠山市北新町2-3
TEL/079-552-4500
予約/事前予約が必要
1名あたりの体験料金/2,000円+入館料
入館料/大人:400円、高校・大学生:200円、小・中学生:100円