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明石のおすすめデイトリップコース
Contributor : 島川 ガブリエラ
Nationality : ブラジル
明石は、城下町として栄えた歴史があり、日本有数の好漁場・明石海峡がもたらす豊かな食文化が育まれ、日本の時刻の基準となる東経135度日本標準時子午線が通る街。コンパクトながらインパクトはたっぷり。そんな明石のシンボルをめぐるデイトリップに行ってきました。
まずは明石城で明石の歴史を知り、町を眺める。
明石を見守るように立つ2つの櫓。坤は本丸の南西を、巽は南東を意味する
まず向かったのは、JR明石駅から徒歩約5分のところにある「明石城」です。
1619年、当時の国家プロジェクトとして建てられた「明石城」。街道や明石海峡など水陸の交通の要所でもあり、西国(西に位置する九州地方)に対する備えを担った城で、今は日本100名城に名を連ねています。
天守(三層から五層ある本丸に高く建てられた櫓)のない平城スタイルが特徴で、本丸の隅に現存する「巽櫓(たつみやぐら)」と「坤櫓(ひつじさるやぐら)」は、国の重要文化財です
高さ約20m、東西の幅約380mの石垣。築城当時と補強修復時に使った石の種類が異なる石垣なので、その違いを見つけるのも一興
眼下に広がる明石公園
「明石城」が建てられる際、城下町の町割り(区画整備)には、当時の無敵の剣士・宮本武蔵が関わったとされています。宮本武蔵が町割りをしたのは全国で明石のみであると伝えられています。
「明石城」は明石公園内にあります。初めて訪れたのですが、こんなに広くて美しい場所とは思いませんでした。池や芝生広場もあるので、散歩やピクニックをするのも良さそう。散策中の一休みや雨宿りにぴったりなカフェもあり、お子さん連れでも安心して気軽に楽しめるスポットだと思いました。
明石の食べ歩きに欠かせない「もぐチケ」をゲットしよう!
「もぐチケ」は「あかし案内所」か「明石観光協会事務所」で購入できる
「明石城」の次は、アーケードに店舗が連なる「魚の棚(うおんたな)商店街」。その前に、食べ歩きクーポン「もぐチケ」を購入しました。「もぐチケ」は、「魚の棚商店街」などにある13店舗でスイーツや水産加工品、明石焼などお好みの明石名物18商品と交換できるクーポン。商品に応じた枚数のチケットと交換するシステムで、6枚1セット750円です。英語と中国語(繁体字)も併記されています。
どの商品と交換しようかな♪
「魚の棚商店街」で明石海峡の恵みに舌鼓。
大漁旗で彩られる年末年始の「魚の棚商店街」で、お祭り気分
「明石城」から徒歩約10分。「魚の棚商店街」も宮本武蔵による町割りでつくられたといわれる歴史ある商店街です。約350mのアーケードに、明石海峡の恵みである明石だこなどの魚介類や海産物を扱う店を中心に、約100店並んでいます。
両手(!?)を広げてお客さんを歓迎する明石だこ
「もぐチケ「白川南店」の『明石だこの天ぷら』をパクッ。衣はサクサクッ、中はしっとりやわらか〜い
「もぐチケ」を活用した食べ歩きはとっても楽しかったです。練り物や天ぷらはお店によって風味と食感がちがうので、訪ねた際は、ぜひいろんなお店の味を食べ比べしてみてほしい。
「よし川」で明石だこざんまい
ふわっふわの生地、伝わるかな!?
「食感のバランスが最高!」の『たこめし』
「魚の棚商店街」で外せないのが『明石焼』(玉子焼)。私は「よし川」で『明石焼』と『たこめし』をオーダーしました。『明石焼』は、小麦粉、じん粉、卵、だし汁を混ぜた生地にタコを入れて焼いたもの。昆布とかつおぶしで出汁をとった関西風の香り高いつけ汁につけて口に入れると、その瞬間はふわっふわ、すぐに舌の上でトロトロに。『たこめし』はタコのうまみがしっかり効いたごはん。どちらも味はもちろん、食感も楽しめました。
お店の人の『明石焼』をつくる手際の良さに見入ってしまう
商店街では、店主たちとの交流が楽しかったです。みなさんとてもフレンドリーで、商品や地域の歴史について熱心に教えてくれました。アーケードの装飾や大道芸人が通りをいっそう賑やかにしていて、道ゆく人の笑い声や笑顔で溢れていましたが、観光客がゆっくりくつろげる静かなスペースも用意されています。「魚の棚商店街」は、さまざまなおもてなしを感じるあたたかな通りでした。
「魚の棚商店街」には魚がデザインされたマンホールの蓋が19種類。魚はタレントで明石たこ大使を務めるさかなクンが描いたそう。足元も目が離せない!
“時の町”でもある明石。
奥の塔は、直径約6.2mの大時計。JR神戸線や山陽電車の車窓からも見える明石のランドマーク
おなかがいっぱいになったところで、「明石市立天文科学館」へ。「魚の棚商店街」からは徒歩だと20分弱、車だと10分弱の距離です。
「明石市立天文科学館」は、東経135度日本標準時子午線上に建つ、時と宇宙をテーマにした博物館。1960年の開館以来稼働している、日本最古の現役プラネタリウムもあります。
館内展示を見ると、私たちの暮らしに天文学が密接に関わっていることが実感できる。
館内では「カレンダー展」(第55回「カレンダー展」は2024年12月7日〈土〉〜2025年1月26日〈日〉)が開催されていました。さまざまな時代や文化圏のカレンダーがあり、これまで文明がどのように時間を計測してきたかがよくわかりました。カレンダーの進化は、科学や文化の進化に反映されているのですね。
プラネタリウムの椅子は背もたれを倒すことができ、とても快適です。解説者はお客さんとコミュニケーションをとりながら投影操作と説明をしてくれるのですが、私には日本語が少し難しかったのが残念……!それでも、約9,000個の恒星、太陽、月、惑星などが映し出される星空に没入できました。約65年稼働しているプラネタリウムが今も正確に動いていることにも感動しました。
14階の展望台からの眺め
窓が360°張り巡らされた展望台からは、明石海峡大橋、明石海峡を行き交う船、淡路島などが見渡せます。明石市街、六甲山、西神戸の高層ビル群のパノラマは、自然だけではない明石の魅力を見せてくれました。
東経135度日本標準時子午線の訪問を記念して
ここでも「もぐチケ」が活躍
「明石市立天文科学館」で「もぐチケ」を提示すると、記念のポストカードがもらえました!
「昼間の太陽観測会」や「16階天体観測室一般公開」などのイベントやプラネタリウム特別投影も実施している「明石市立天文科学館」。詳細はぜひ同館のホームページでチェックしてみてください。
明石の人たちのこだわりは、観光客へのおもてなし。
昼網によって、午後の「魚の棚商店街」には海からあがったばかりの魚介類が店頭にずらりと並んでいました
明石では、名物の明石だこのほかにも新鮮な魚介類をたくさん見かけました。明石浦漁協では、午前11時に競りが行われます。これは「昼網」という明石ならではの習慣。そこには、「その日の夕食に新鮮な魚介類が食べられるように」という、漁師さんたちの思いがあるのだそうです。
史跡や海産物が有名だということは知っていましたが、地元の人たちと触れ合いながら体験したことで、おもてなしやこだわりも知ることができました。
大阪や京都からもアクセスしやすいので、ぜひ気軽に訪れて、明石の印象をアップデートしてください
観光情報
明石城
住所: 兵庫県明石市明石公園1-27F
電話番号:078-912-7600
「もぐチケ」購入場所
あかし案内所
住所:兵庫県明石市大明石町1-1-23 ピオレ明石西館内
電話番号:078-911-2660
営業時間:9:00〜19:00 (土・日・祝日は18:00まで)
明石観光協会事務所
住所: 兵庫県明石市東仲ノ町6-1 アスピア明石北館7階
TEL: 078-918-5080
営業時間: 8:55〜17:40
定休日: 月曜日
もぐチケ料金: 750円(チケット6枚付き)
魚の棚商店街(魚の棚商店街・魚の駅)
住所: 兵庫県明石市本町1-1-16
TEL: 080-4647-9666、078-911-9666(10:00〜17:00)
明石市立天文科学館
住所: 兵庫県明石市人丸町2-6
TEL: 078-919-5000
開館時間: 9:30〜17:00(入館は16:30まで)
休館日: 月曜日・第2火曜日(祝日の場合は翌平日)年末ほか
観覧料: 700円(プラネタリウム込み)※高校生以下無料