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兵庫育ちの最高級の素材を使った一流グルメ
自然豊かな山々と美しい海に囲まれた兵庫は上質なグルメを楽しめる食材の宝庫。神戸ビーフが有名だが、香住ガニ、明石の鯛、淡路のハモといった海産物も多くのファンを抱える。ここでは“兵庫に来たらこれは絶対食べて”という逸品を紹介。産地の味を求め渡り歩くグルメ散策もまた、旅の醍醐味だ。兵庫だからこその味に、ぜひ出会ってほしい。
最高級神戸ビーフで彩る、贅沢なディナータイム
世界中で愛される神戸ビーフ。その豊かな風味と口溶けの良さは、厳選された血統と、長年にわたり培われた丹念な飼育方法の成せる技。厳しい基準をクリアした一部の牛肉だけが「神戸ビーフ」に認定され、神戸市、有馬温泉などの観光スポットはじめ兵庫県内の各所で味わえる。
その味の特徴は繊細にして味わい深い。「サシ」といわれる脂肪が筋肉のなかに細かく入り、美しい「霜降り」を生み出す。このサシがやさしい甘味とともに濃厚な旨味をもたらす。神戸ビーフの脂肪の融点はほかの和牛よりも低いため口のなかで脂がスッと溶け、重たさはまるで感じない。
元祖 鉄板焼きステーキ みその神戸本店の店長、北田直幸(きただなおゆき)さん
1945年、第二次世界大戦終戦の直後に誕生した「みその」は神戸市に本店がある名店で、鉄板焼きステーキの元祖として知られる。お好み焼きのコテを使って鉄板の上で手際よく焼くという調理法が、今に引き継がれている。キャップをかぶせて焼くのもみその流。脂が飛ばないようにという配慮から生まれた手法だが、蒸し焼きにするため短時間でやわらかく仕上がる。
神戸ビーフを味わうことは、単においしい食事をするだけでなく、神戸の伝統と歴史に触れる特別な時間。鉄板で肉の焼ける音、香り、とろけるような食感、そしてスタッフの英語による説明……、五感を使って贅沢なディナーを楽しんでほしい。
神戸の宿泊の予約
ブランドビーフのルーツと言われる「但馬牛」は兵庫但馬で生まれた
神戸ビーフをはじめ、松阪牛、近江牛など、日本が世界に誇る黒毛和牛。実は、その99.9%が1939年に兵庫県香美町小代区で生まれた一頭の但馬牛「田尻号」の子孫という。但馬牛は、兵庫県内純血を守りながら改良を重ね、今では世界的な人気を誇るブランドビーフの「素牛」として知られている。
兵庫県立但馬牧場公園
但馬牛は6~10月の間は、園内の愛宕山に放牧。兵庫県立但馬牧場公園では急な斜面で草をはんだり、くつろぐ様子が見学できる。愛宕山の山頂に向かうリフトからも放牧風景が見られる。但馬牛を見学したり、触れ合いたい場合は、動物への伝染病感染防止のため、ビジターハウスでの受付が必要。ただし、1週間以内に海外から帰国または入国された方は動物の見学不可。
「レストランふるさと」のステーキセット
兵庫県立但馬牧場公園内にある「レストランふるさと」では、但馬牛を使ったメニューを豊富に用意。但馬牛の旨味を存分に味わうなら、ステーキセット(前日までの予約制)がおすすめだ。こちらでは、自分でステーキを焼くバーベキュースタイルで、好みの焼き加減に仕上げられる。
また、「但馬牛博物館」は、但馬牛・神戸ビーフの歴史や価値を後世に伝える施設で、体験型の展示が多く、海外のツーリストにも好評だ。但馬牛を知り尽くしたスタッフによるガイドツアーが人気で、翻訳機を使ったやりとりも可能。
城崎の宿泊の予約
関西では香住でのみ水揚げされる「香住ガニ」を堪能
香住ガニの刺身、カニ味噌焼き、陶板焼き
兵庫県はカニ料理発祥の地とも言われ、松葉ガニと紅ズワイガニの食べ比べができる全国でも珍しいエリア、兵庫県香美町。関西では唯一、香住漁港だけで水揚げされる紅ズワイガニは、地元で「香住ガニ」と呼ばれ、漁期が9月1日~5月31日と長く、身が詰まっていてみずみずしく、甘味が強いのが特徴だ。
香美町にある海鮮料理店「華和ゐ 香住本店」では、漁港から競りで直接仕入れた香住ガニと松葉ガニをリーズナブルに楽しめる。お造り、ゆでガニ、陶板焼き、かにすき鍋など、さまざまな調理法で香住ガニのおいしさを余すことなく堪能できる。
宿泊は香住温泉郷で楽しむも良し、周辺にある城崎温泉や湯村温泉へ足を延ばすこともまた一興だ。
香住の宿泊の予約
明石海峡が育て、腕利きの漁師が届ける極上の明石鯛
「ゑびす井」の人気メニュー「鯛めし」
兵庫県明石市、神戸市、淡路島の間に位置する明石海峡は、日本有数の好漁場。潮の流れが激しく、エビやカニなど魚のエサが豊富にあるため、よく育ち、身が引き締まった魚が水揚げされる。これらの魚は水揚げ後にいけすでストレスを軽減する「活け越し」、死後硬直を遅らせる「神経抜き」など明石の漁師独自の伝統的な技によって鮮度が保たれたまま料理店などに届けられている。
明石鯛は、日本最高級の鯛。名乗れるのは、明石浦漁業協同組合をはじめ6つの組合で水揚げされた800g以上の真鯛のみ。アイシャドウを塗ったような顔と青い斑点をちりばめたピンク色の美しいからだが特徴で、なかでも越冬に備えて身が肥え、上質な脂がのった秋の明石鯛は、旨味と甘味を持ち合わせた絶品だ。
漁師の家に生まれ育った店主・戎井直義(えびすい なおよし)さんが腕をふるう和食店「酒菜や ゑびす井」では、明石鯛など刺身や天ぷら、煮付け、焼き魚などが味わえる。人気は、炭火で焼いた明石鯛の頭とたっぷりの切り身をごはんと炊き込んだ「鯛めし」。旨味が染み込んだふっくらごはんに歯応えのある切り身がアクセントになっている。
明石の宿泊の予約
高級食材のハモのなかでも、とくに美しいことで知られる淡路島のハモ
IKOI JAPANESE CUSINEの店主、オーナーシェフの菅村貴寿(すがむらたかひさ)さん
ハモのフルコースで出されるハモ鍋
鍋のシメは淡路島産の手延素麺
夏の風物詩として親しまれる高級魚がハモ。新鮮で活きが良いハモが獲れる淡路島には、古くからハモを食す文化が根付いているのだ。
ハモは調理が難しく、手間がかかることで知られている。小骨が多いため「骨切り」という作業が必要で、これがハモ独特の歯ごたえと食感を生む。淡路島にはハモ料理のノウハウを持つ職人が数多くいるため、飲食店や宿泊施設でおいしいハモ料理を味わえる。
淡路島の「IKOI JAPANESE CUSINE」は前菜、お造り、お椀、寿司、天ぷら、そしてハモ鍋とそれぞれで違う味わいをみせるハモの味を堪能できるフルコースを6月から10月まで提供。
菅村さんの手がけるハモ鍋は、焼いたハモの骨を二時間ほど煮立ててつくる出汁が命。淡路特産たまねぎがたっぷり使用され、その甘みが上品なハモの味を引き立てる。ハモは火を通すと花が咲くようにふわっと広がり、一層やわらかな食感に。やさしいハモの風味を堪能する時間は、なんとも贅沢なひとときだ。お鍋のラストは淡路名産の手延素麺がおすすめ。
お腹が満たされたなら、淡路島の温泉に浸かろう。洲本温泉や南あわじ温泉がゆったりとした旅の締めくくりとなる。
淡路島の宿泊の予約
元祖 鉄板焼きステーキ みその神戸本店
兵庫県立但馬牧場公園
https://www.tajimabokujyo.jp/
レストランふるさと
https://www.bokujyo.com/furusato.html
但馬牛博物館
華和ゐ 香住本店
https://kawai-kami.kani-mrck.jp/
酒菜や ゑびす井
https://www.sakanaya-ebisui.jp/
IKOI JAPANESE CUSINE
Date : 2024.10.17