◇「兵庫テロワールlab.」テロワール研究員レポート
食や文化を味わい楽しみ、それらが生まれたルーツや背景を探り、受け継いできた人の想いや技術に触れる。大地の恵みを堪能する“兵庫テロワール旅”の情報を、現地で体感した「テロワール研究員」の視点でお届けします。
小豆総生産量の1%!超希少な「丹波大納言小豆」を使った新名物
カフェや洋菓子店など丹波市内20店舗で独自の「あんバターサンド」
丹波黒大豆、丹波栗と合わせて「丹波三宝」として知られる「丹波大納言小豆」。
国内の小豆総生産量の内の1%以下しかない超希少な小豆なんです。
そんな「丹波大納言小豆」の産地・丹波市では、市や農家、飲食店が総力を結集して「あんバターサンド」を開発。今秋、市内20店舗(11/1現在)でそれぞれ独自のあんバターサンドが新登場。クッキーやカステラ生地、クロワッサン、ワッフルなど、挟む生地もあんこもお店ごとに違って、食べ比べが楽しいんです!
「丹(まごころ)のあんバターサンド」と名付けられた丹波市のあんバターサンド。
カギとなる「丹波大納言小豆」です。
丹波で農業を営む「なかで農場」の11代目・中出靖大さんにお話を聞きました。
《中出さん談》『丹波市は「大納言小豆」発祥の地で、400年にわたって栽培されてきました。土壌が豊かで寒暖差の激しい気候、そして丹波霧と呼ばれる霧が度々発生することで、昔から、甘みが濃くて皮が薄く柔らかい豆ができるんです。一般的な大納言小豆と比べて生育期間が長いので、栽培に手間はかかりますが』。
寒暖差が作物に影響する理由は、夜の気温が低いと作物の呼吸が抑えられ、昼間に溜めた養分の消費が抑えられるから。そして霧に包まれることで、豆の皮がしっとり柔らかく保たれるのだそうです。
《中出さん談》『ウチでは現在11haの圃場で栽培しています。11月に1か月かけて収穫し、水分量が均一になるように自然乾燥させた後、人の手で一粒一粒、豆を選り分けています』。
鮮やかな濃赤色の丹波大納言小豆は、かなり大粒で俵型。糖度が高いので甘みが強く、煮ても皮が破れにくいため口当たりが良いのが特徴。
《中出さん談》『丹波大納言小豆の生産量は、国内の小豆総生産量の1%未満なんです。品質の高さに希少さも加わって、生産量の9割を占める北海道産と比べ価格は4~5倍します』。
生産者の高齢化で年々生産量は減少していて、希少性は増す一方だそう。
そのため産地でないと手に入れることも難しい食材なのです!
中出さんは、丹波大納言小豆を守り継いでいくために商品開発にも積極的に取り組み、丹波大納言小豆生産振興会の会長も務めておられます。
「丹波大納言小豆」のおいしさを全国に発信するべく、丹波市では今年、官民一丸となって新しいご当地スイーツ「丹(まごころ)のあんバターサンド」の販売を一斉スタート。
市内のカフェや和・洋菓子店、パン店など20店舗(11/1現在)が、「丹波市産の丹波大納言小豆のあんこ」と「バター」を使うという統一コンセプトの下、オリジナルのあんバターサンドを開発。クッキーやワッフル、パン、どら焼きなど挟む生地もそれぞれ異なる、個性的なあんバターサンドがラインアップ!
最初にご紹介するのは、丹波素材にこだわった和のスイーツのお店「夢の里やながわ」。
最寄り駅のJR黒井駅からは車で約10分。舞鶴若狭自動車道・春日ICからは約3分の場所にあります。
9月中旬~1月上旬限定販売の「和のモンブラン」が大人気で、週末になると大行列ができています。
広い店内には、栗、黒豆、小豆はもちろん、牛乳や卵もすべて地元産で作り上げる生菓子や焼き菓子などが多彩に並び、カフェスペースもあります。
こちらのお店の「あんバターサンド」は、もちろん丹波市で栽培された丹波大納言小豆を100%使用。自社の職人さんが、それぞれの菓子に合わせて炊き上げるというあんこは、小豆本来の味が引き立つ優しい甘さ。あんこと宇治抹茶クリーム、バター、そしてサクサクのクッキー生地の調和が絶妙で、さすが名店のクオリティです!
▲「夢の里やながわ」の「あんバターサンド」350円(税込)
JR柏原駅から徒歩5分ほどの場所にある「cafe Frontier ACE(カフェ フロンティア エース)柏原店」。国指定史跡・柏原藩陣屋跡などがある城下町・柏原町にあるカフェで、地元農家の旬の野菜や果物を使ったランチやスイーツが頂けます。
こちらの「丹のあんバターサンド」は、自家製スコーンに「なかで農場」のゆであずきで作ったあんこをサンド。小麦粉とバターのみで作ったシンプルなスコーンは、外はサクサク&中はふわふわ。丹波大納言小豆をふっくら炊き上げたあんことバターがダイナミックに挟まれていて、かなりボリューミーです。
少し温めてから頂くと(お店では温めて提供されます)、溶けたバターと餡の甘じょっぱさがたまりません。あん×バター、最強の組み合わせです♪
あんことバタークリームをクッキー生地で挟んだ「丹のあんバターサンド クッキー」もあります。どちらもテイクアウトOK。
▲「丹のあんバターサンド スコーン」480円(税込)
今年2024年7月、食事&お酒も楽しめる店として丹波市氷上町にオープンした「cafe Frontier ACE氷上店」でも、「丹のあんバターサンド」2種類が頂けます。
▲「丹のあんバターサンド クッキー」380円(税込)
同じく柏原町にある大きな木製の車輪が目印の「cafe ma-no(マーノ)」。
「どこで誰がどうやって作ったのかがわかる食材」にこだわり、生産者の想いも一緒に伝えることがお店のテーマ。ランチやスイーツには、地元の農場で採れた丹波の野菜や卵、果物がふんだんに使われています。
▲「バターサンド 丹波大納言小豆」450円(税込)
「バターサンド 丹波大納言小豆」は、アーモンドとバターを贅沢に使ったサクッと香ばしいサブレ生地で、丹波大納言小豆の餡&バタークリームをサンド。
「バターサンド」は大人気の看板商品で、他にも抹茶大納言小豆やピスタチオなど色んな種類があるので、お土産にもぴったりです。
※「バターサンド」は9月~4月頃の期間限定販売。日によって販売商品は異なります
2023年12月にオープンしたワッフル専門店「TWINKLE SUGAR(トゥインクル シュガー)」。舞鶴若狭自動車道・氷上ICから車で7分ほどの場所にあります。
テイクアウトのみで、店内には日替わりで常時6種類前後のワッフルが並びます。
地元産の卵と牛乳を使い、一つ一つ手焼きするワッフルは、ザクザクとしたワッフルシュガーの食感がポイント。
「なかで農場」のゆであずきを使った餡とバターを挟み込んだ「丹のあんバターサンド」は、トースターで軽く温めて食べるのがおすすめ。
▲「丹のあんバターサンド」450円(税込)
道の駅「おばあちゃんの里」にも「丹のあんバターサンド」のコーナーが登場しました。
舞鶴若狭自動車道・春日ICすぐそばにあって、一度に色んな種類が購入できるので便利です。※商品は日によって異なります。
「丹のあんバターサンド」の提供店舗は現在20店舗で、今後も増える予定だそう。
今回ご紹介したお店以外に、パン店や和菓子店など色んなお店がオリジナルのあんバターサンドを提供しているので、食べ比べや食べ歩きも楽しいと思います。
◇「丹のあんバターサンド」公式サイト
https://agri-tambacity.jp/yasai_magokoro/anbutter/
DATA:
◇ なかで農場
兵庫県丹波市春日町黒井1844
Tel:0795-74-0617
https://www.nakade-farm.com/
◇ cafe Frontier ACE 柏原店
兵庫県丹波市柏原町柏原4-2
Tel:070-4543-5929
営業時間:11:00~17:00
定休日:月曜(祝日の場合翌火曜)
https://www.instagram.com/cafe.frontier.ace/
◇ 夢の里やながわ本店
兵庫県丹波市春日町野上野920
Tel:0795-74-0123
営業時間:10:00~18:00(11月~2月は17:30閉店)
定休日:木曜
https://tamba-yanagawa.co.jp/
◇ cafe ma-no(マーノ)
兵庫県丹波市柏原町母坪402-1
Tel:0795-71-4110
営業時間:11:00~18:00
定休日:木曜・金曜
https://www.instagram.com/cafe_ma_no/
◇ TWINKLE SUGAR
兵庫県丹波市氷上町下新庄25-2
営業時間:11:00~無くなり次第終了(土日祝は10:00~)
定休日:月曜・金曜
https://www.instagram.com/twinklesugar_waffle/
◇「丹のあんバターサンド」公式サイト
https://agri-tambacity.jp/yasai_magokoro/anbutter/
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掲載日:令和6年11月22日