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◇現役ANA CAがおすすめする!兵庫の観光スポット特集シリーズ◇
ANAより兵庫県庁に出向中の現役CAが、兵庫五国の魅力を探りながら、おすすめ観光情報をご紹介します。食と文化のルーツを知る、食べる、体験する“兵庫テロワール旅”に出かけてみませんか?
第2弾は、『神戸スイーツとテロワール』をレポート!
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神戸スイーツの始まり
「神戸の特産といえばスイーツ」という程、スイーツの街としてのイメージが定着している神戸。なぜ神戸でスイーツ文化が栄えたのか、その歴史は明治時代まで遡ります。
明治時代の幕開けと共に神戸港が開港し、外国人居留地や雑居地が形成され、外国人との交流が生じたことから、神戸独特のハイカラ文化が栄えました。
外国人が利用していたホテルで提供されていたデザートも洋菓子文化の発展に寄与したと言われていますが、当時はバターを好まない日本人も多く、洋菓子自体はあまり馴染まなかったそうです。
そこで誕生したのが、バターを使用しない洋菓子系のお菓子「瓦せんべい」です。
ここからは、そんな時代背景の中、日本人が創業し、神戸スイーツの発展と共に歩んできた老舗を2店舗ご紹介していきます。
洋菓子の始まり「亀井堂總本店」
神戸は洋菓子のイメージが強いですが、その始まりが亀井堂總本店の「瓦せんべい」とは、意外に思われる方も多いのではないでしょうか。
「せんべい」という名前から、和菓子なのでは?と思いがちですが、実は、洋菓子ということには驚き。
当時は高価で入手しにくかった洋菓子の材料である鶏卵、砂糖、蜂蜜をふんだんに使った「瓦せんべい」を考案し、販売したのが洋菓子の始まりと言われています。なんと、同じ材料をオーブンで焼くとカステラになるそう!
明治6年に松井佐助氏が「亀井堂總本店」を開業してから現在まで、香ばしく優しい味の瓦せんべいは受け継がれ、今もその伝統の味を守っています。
本店限定で実際の瓦と同じ大きさの「特大瓦せんべい」も販売されています。製造はすべて手作業で行われていることから、大きくなればなるほど職人の技術が必要になるそうです。小瓦との大きさの違いからも、職人の技術の進化への情熱を感じることができます。
最近では「感謝」「ありがとう」などのメッセージ入りのプチギフト小瓦せんべいが人気。オリジナルのメッセージ入り小瓦せんべいを作ることも可能です。
瓦せんべいで、大切な人への感謝の気持ちを伝えてみてはいかがでしょうか。
第3回内国勧業博覧会に出展し、大好評を得たことで関東にも瓦せんべいが広まりました。瓦せんべいのレシピから派生し、「割れないせんべい」として生み出された商品が「やわらか焼」です。
直径約15センチの円形古代瓦型で、やわらかいカステラのようにふんわりと焼き上げた優しい味でありながら、しっかりした歯ごたえもあります。
人気の新商品、バターサンド「TONOWA」はとにかく個包装のラッピングがお洒落!見た目の可愛さからも女性に人気があります。
「TONOWA」の商品名の由来は、“地域との「わ」”。色々な方との繋がり(輪・和)を大切にされているのが伝わり、素敵なネーミングだと思いました。オリーブ、淡路なるとオレンジが定番フレーバーです。
洋菓子の街としての基礎を築いた「神戸風月堂」
神戸風月堂は、明治30年、神戸元町通に開店し、洋菓子の街としての基礎を築きました。モダンな外観からは神戸のハイカラ文化を感じることができます。
神戸風月堂の代表的お菓子といえば、「ゴーフル」。
お土産や贈り物で貰ったことがあるという人も多いのではないでしょうか?
サクッとした生地と甘いクリームが特徴的なゴーフルですが、その始まりは大正15年、ヨーロッパ帰りのお客様がフランス菓子を持参され、「日本でも作ってみてはどうか」と提案したことだそう。日本人の嗜好に合わせて試行錯誤し、ゴーフルが商品として完成したのは昭和2年のことでした。
当時は一枚ずつ、表裏をひっくり返しながら焼き上げ、手作業でクリームサンドし仕上げるという大変な手間をかけたお菓子でした。
現在は、機械でプレスし挟み焼きにすることで均等な薄さに焼き上げ、サクッとした食感を生み出しています。
現在、ゴーフル誕生95周年を記念して、数字の9と5を使ってデザインされた「95thアニバーサリーゴーフル」が発売中です。缶の蓋には、距離によって見え方が異なる仕掛けが取り入れられています。クリームは「95thアニバーサリーゴーフル」の為にだけ開発された限定クリーム。
「楽園のバニラ」「おとめなストロベリー」「太陽のチョコレート」「星空のモカコーヒー」の4種類。そのネーミングも特徴的で、どのような味なのか気になりますね。
神戸土産にぴったりの神戸パッケージのゴーフルもあります。「神戸六景ミニゴーフル」は様々な神戸らしいデザインの缶があるので、ばらまき土産としても喜ばれます。
元町本店限定商品として、数量限定で販売中の生感覚ゴーフル「ゴーフニャ」。
パティシエが店内で一つひとつ丁寧に焼き上げ、中には香り高いバニラ、そして、カソナードシュガーのざらっとした食感が特徴のバタークリームをサンドしています。2枚の鉄板で挟み、焼き上げた生地は数ミリの薄さ。それをさらに手作業で半分にスライスしてクリームを挟むという、パティシエの技を感じることのできる商品です。
販売するまでにあえて1、2日程寝かせることでバタークリームが生地になじみ、しっとり、ふにゃっとした独特の食感「生感覚」になる。新感覚の焼き菓子です。
甘すぎるのは苦手という方に試して頂きたい商品が「プティーゴーフル サレ」です。ヒマラヤ産ピンクソルトの塩味がクリームのアクセントになり、甘すぎずまろやかな味わいです。パッケージも爽やかなライトブルーのデザインで、お洒落で人気が高い商品です。
元町本店には、落ち着いた大人な雰囲気の喫茶が併設されています。
いちおしメニューは「特選あんみつ」。弾力のある寒天とモチモチの白玉は、毎朝お店で手作りされています。兵庫の特産である、丹波大納言小豆や丹波の黒豆が使われ、もっちりした食感で豆の美味しさを感じられるのが魅力です。
バニラアイスクリームもトッピングされており、ボリュームもあり満足感あふれる一品になっています。蜜は「黒蜜・白蜜・抹茶蜜」の3種類から選ぶことができます。
ぜひ、お店でご賞味ください。
今回は明治時代に日本人が創業し、現在も神戸で愛され続けている老舗をご紹介しました。時代の流れと共に、新しい商品を開発しお客様に提供し続ける姿から、創業者たちが大切にしてきた「つくることへのこだわり」という揺るぎない思いを感じました。
みなさんは、気になったお菓子はありましたか?神戸にお越しの際は本店に寄り、ここでしか味わうことの出来ないお菓子を是非、お楽しみ下さい。
◇亀井堂總本店◇
所在地:〒650-0022 神戸市中央区元町通6丁目3-17
営業時間:10:00~19:00(無休)
アクセス:阪神電鉄「西元町駅」徒歩1分、阪急電鉄「花隈駅」徒歩3分、JR神戸線「元町駅」徒歩5分
電話番号:078-351-0001
HP: https://kameido.co.jp/index.html
◇神戸風月堂◇
所在地:〒650-0022 神戸市中央区元町通3丁目3-10
営業時間:10:00~18:00(菓子販売)無休
11:00~18:00(L.O.17:30)(喫茶)毎週月曜定休
アクセス:阪神本線「元町駅」徒歩約3分、 JR神戸線「元町駅」西口より徒歩約5分
電話番号:◎菓子販売078-321-5598 ◎喫茶078-321-5527
HP: https://www.kobe-fugetsudo.co.jp/