さてみなさん、真珠がとっても環境にやさしい事を知っていましたか?
ダイヤモンドの完成品を両手いっぱい採石するためには、莫大な量の掘削を行わなければならないのですが、実は真珠1粒(直径14mm)の生成には4階建てビル1棟分の海水に溶け込んだ二酸化炭素が必要とされるというのです!(温暖化ガスの海水からの固形化回収)近年、世界的にも取り組まれているSDGsですが、パールこそ持続可能で環境にやさしい宝石なんです。
そんなパールですが、実は神戸は「真珠の街」として知られています。国際貿易港として栄えていた神戸・外国人居留地では、真珠産業の発展と共に日本から世界へ送りだされるアコヤ真珠の輸出拠点として、第二次世界大戦後に「日本真珠会館」が誕生しました。
阪神淡路大震災にも耐え、半世紀以上を経た現在もひたむきに竣工時のまま残る日本真珠会館は、国の文化財にも登録されています。そちらの1階部分が無料で観覧可能な「神戸パールミュージアム」として一般開放されています。
1階には黒御影石、2・3階にブルーグレーのタイル、4階が全面ガラス窓の3層構造で、いたるところに近代建築のモダニズムが表現されています。
神戸で2番目の全館蛍光灯設備、日本初のフルオートのベネッシャンブラインドなど、当時の最先端の技術が集約。真珠の検査選定に欠かせない採光窓を東・南・北面に取り、直射日光を防ぐ庇も、すべては高品質な真珠の選別のため。
特殊な技術で作られた窓ガラスは、本当に透明で、普通のガラスは斜めから見ると緑色なのに対し、当時のガラスは「水色」!実は入り口の扉に使用されているガラスは当時から現存しているもので、阪神淡路大震災の時も壊れなかったそう。手作業で付けた壁の湾曲加工部分など、パールについて学ぶことはもちろん、この会館の建物自体も楽しみのひとつ!
また、同館にはヨーロッパから買い付けて来られた子供服のセレクトショップも入っていました。
パールミュージアムの隣の神戸パールスークでは、クラシックな白色のパールをはじめ、日本各地の個性、色の様々なパールに出会うことが出来ます。
神戸パールミュージアム、神戸の街を感じる旧居留地でパールの魅力と神戸のモダニズムに触れ、もっと神戸を知りたくなる素敵な場所です!
【KOBE PEARL MUSEUM】
開館時間:10:00~17:00(定休日 土日祝)
http://www.japan-pearl.com/museum/
神戸市中央区東町122 日本真珠会館1F
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