さぁ探検!かつて日本一の錫(すず)鉱山と呼ばれた「明延鉱山」。
みなさん、鉱山には行ったことがありますか?
実は兵庫県にはかつて日本一の錫(すず)鉱山と呼ばれた明延(あけのべ)鉱山があるんです。
この明延鉱山、806年〜810年の間に銅の採掘が始まったとされており、この鉱山で採れた銅を奈良の東大寺の大仏に使用したという言い伝えもあります。
採掘が始まってからは銅鉱山として採掘を行っていましたが1909年に錫の大鉱脈が見つかったことにより、日本一の錫鉱山となりました。当時は国内シェア90%を誇っていたそうです。
閉山したのは1987年。
現在は「明延鉱山 探検坑道」として誰でも入ることができます。(4月から11月まで見学可能)
早速、探検坑道へ行ってみましょう!
探検坑道の入り口はこちら。
坑口の上に少し曲がった形の木が置いてあるのが見えますか?実はこれ、山の神様なんだそう。
中に入ると足元に軌道跡が残されていて、まるでアリの巣のように道がいろんなところへと続いています。
「この先には一体何があるんだろう?」と探検感がくすぐられます。
坑道内に階段がありました。
ちなみに全国に観光できる坑道はあるのですが、このように上の階に行ける坑道はとても珍しいんです。
上へ登っていくと天井がくり抜かれている場所がありました。
これはシュリンケージ採掘法の跡。
採掘する際に上に向かって掘っていた場所です。
さらに進んで行くとまた分かれ道が。
坑道内はこのような分かれ道がたくさんあり、まるで迷路のようです。
ここは大寿立坑のエレベーター跡。
稼働していた頃はこの場所から地下へ鉱石や人を運んでいました。
坑内にはこのようにエレベーター跡や機械がたくさん残されており、サビからは時間の流れを感じることができます。
気がつくとあっという間に60分、ゴール地点に到着していました。
探検坑道はガイドの方が案内をしてくれます。
稼働当時の話も聞くことができるので、とても楽しく探検することができます。
明延鉱山、坑道も魅力的なのですが、周りにも見所がたくさんあります。
まず1つ目は明延トンネル。
県道6号にある明延トンネルは坑口の形になっています。通る時にワクワクしますね!
2つ目は一円電車。
正式名称は明神(めいしん)電車。
1929年に明延鉱山で採掘した鉱石を6キロ離れた神子畑選鉱場へ運ぶために運行を開始しました。初めは鉱石だけでしたが、数年後には一般の人も乗れるようになり、その際の運賃が一人一円だったことから「一円電車」と呼ばれるようになったそうです。閉山と同時に廃止されましたが、現在は写真のくろがね号の体験乗車会を開催しています。
※開催時期は4月〜11月の毎月第一日曜日。申し込み不要。
3つ目は明延ミュージアム「第一浴場」。
ここは明延鉱山が稼働していた際に使用していたお風呂屋さんだった場所。鉱山で働く人や地域の人が使っていました。現在は改装して明延ミュージアム「第一浴場」として、明延鉱山に関する資料や鉱石が展示されています。
明延ミュージアムの開館は不定期なので、あけのべ自然学校に問い合わせてみてくださいね!
◇ あけのべ自然学校WEBサイト:
http://akenobe-nature.com
「明延鉱山 探検坑道」見学の際は、下記のホームページより見学可能日時の確認ができます。
◇ 明延鉱山WEBサイト:
http://www.akenobe-kozan.com
魅力がいっぱいの明延鉱山、みなさんも是非行ってみてください。