120軒もの農家が集う農産物直売所をはじめ、
行列人気のベーカリーや高級ブランド牛がリーズナブルに食せる牧場直営レストランも!
丹波栗、丹波黒大豆、丹波大納言小豆など、丹波と言えばおいしいものの宝庫。
そんな丹波市では今、市や農家さんに加えて飲食店や住民も一緒になって取り組み、有機農業や循環型農業が広がっています。2023年には、農水省の地域ぐるみの有機農業推進モデル地区「オーガニックビレッジ」にも名乗りを上げ、たくさんの農産品やグルメがあるそうです。
そこで今回のレポートは、オーガニックがテーマの丹波市を紹介します!
目的地は「有機の里」と呼ばれる丹波市北部の市島地域。
田園が続くのどかな町は「有機農業発祥の地」と言われていて、50年以上の有機農業の歴史があり、この地域には全日制の有機農業学校もあるんです。
◎いちじま丹波太郎
最初に紹介するのは、「いちじま丹波太郎」です。
JR福知山線「市島駅」から徒歩約14分、農家さんたちによる農産物の直売所。
店内には、農薬や化学肥料を使わずに栽培されたお野菜や、地球環境に配慮した「循環型農業」の理念に基づいて作られた農作物が並んでいるとのこと。
登録農家は120軒以上に及び、有機栽培の農家さんも多数。朝から夕方まで農家さんたちのペースで新鮮な野菜が運び込まれてくるので、訪れる日や時間帯によって色んな野菜と共に、農家さんとも直接出会えます。野菜にはすべて栽培した農家さんの名前が入っていて、指名買いする人も多いそうですよ。
◎市島製パン研究所
田園が広がるのどかな市島地域で、週末になると大行列ができるのが「市島製パン研究所」。
数々のメディアで取り上げられている人気ベーカリーです。
オーナーの三澤孝夫さんが一人で手作りするため、営業日は木曜・金曜・土曜の週3日のみ。可能な限り有機栽培や無農薬栽培の地元産素材を使用し、小麦粉はすべて北海道帯広産のポストハーベストフリーの小麦粉。
《三澤さん談》『有機農業でブルーベリーや野菜を育てている「奥丹波ブルーベリー農場」をはじめ、近所の農家さんが持ってきてくれる野菜や果物を見て、何を作ろうかなって考える。いい素材を活かしたいから、焼くパンは毎日変わります』。
約50種類が次々焼きあがりますが、昼には売り切れになるパンが多く、特に土曜は11時頃にはほぼ完売になるので早めの来店がおすすめです。
三澤さんは関西におけるグルメバーガーの先駆者とも呼ばれていて、「市島製パン研究所」のバーガーも絶品なんです。
手作りのバンズの間には、つなぎを一切使わない牛肉100%のパティや1週間漬け込み8時間かけて燻製する自家製のベーコン、地元産の野菜がたっぷりで、ソースもすべて手作り。ジューシーで食べ応えも満点です。
ハンバーガーは約15種類ラインナップし、プレーンバーガー1,080円(税込)~。
テイクアウトの他、ベーカリー奥のカフェスペースで頂くこともできます。
◎イタリアンレストラン「テッラドーノ」
次に紹介するのは、保育園だった施設を改装したイタリアンレストラン「テッラドーノ」。
JR市島駅から約2㎞、タクシーで5分ほどの場所にあります。
元保育園だけあって思わず童心に返ってしまう園庭があります。キッズルームが完備されているのでママさんたちにも人気のお店。
オーナーの羽生裕行さんは「ここでしか食べられないものを提供したい」と、地産地消に徹底的にこだわっておられます。野菜は地元有機農家の「KOM'S FARM」や「たんぽぽファーム」などから届く有機野菜が中心。卵はすべて地元「カンナンファーム」のもの、牛乳は丹波乳業の「ひかみ牛乳」。
《羽生さん談》『季節によって手に入らないものがあるので100%ではないけれど、ほとんどの食材が地元産。市島地域は有機栽培の先進地で腕のいい農家さんが多いので、野菜はできるだけ有機栽培や無農薬のものを使っています。カラダや環境に良いし、やっぱり本当に美味しいので』。
看板メニューの「鶏肉と丹波野菜のレモンバターソース」(単品1,540円(税込))は、食感も香りもさまざまな地元産の旬の野菜がたっぷり味わえて、レモンバターソースのコクと爽やかさも絶妙。
写真は「マルゲリータ」単品1,540円(税込)。ピザ生地の約3割の小麦粉は無農薬栽培の丹波産小麦粉で、地元老舗酒造「西山酒造場」の地下水を使って練り上げていて、小麦の味がしっかりして、耳まで美味しいと評判なんです!
私が「テッラドーノ」で大好きなのが、羽生さんがひかみ牛乳を使って手作りするジェラート。牛乳そのものの濃厚な味で、舌触りはとっても滑らか。丹波栗や丹波産のいちごなど、季節によって5~6種類のフレーバーが揃います。ジェラートはテイクアウトもOK。
ランチタイムは、単品に+220円でサラダ&ミニジェラートがセットになるのでとってもお得です♪
◎神戸髙見牛牧場(牧場・直売所・レストラン)
丹波市有機の里いちじま地域の紹介で欠かせないのが、内閣総理大臣賞や兵庫県知事賞など多数の賞を獲得している「神戸髙見牛牧場」です。
種付けから肥育、牛肉の出荷までを一貫して手掛け、「神戸髙見牛」というブランド名で販売。市島町の豊かな自然と良質な水に加え、肥育方法の最大の特徴は、人が食べる食品副産物から作られた安心・安全な肥料、つまり人の口に入るものと同じもので肥育されていること。
さらに、「神戸高見牛牧場」からの廃棄物を使い、地域内にある市営の「市島有機センター」で作られる良質な堆肥が、農家さんの「土づくり」に使われているんですよ。
「神戸高見牛牧場」隣には直売所「安食の郷」があります。お正月やお盆前には、ご馳走用の牛肉を買い求める地元民で行列ができるんです。直売所にはお肉の販売コーナーと、定食類が食べられるイートインコーナーがあります。
市島地域内には「神戸髙見牛牧場」直営のレストラン「グルメリア但馬 市島店」もあります。
自然に包まれた絶好のロケーションで、ゆったり落ち着いた雰囲気の中、神戸髙見牛の一番いいところを、牧場直営ならではの手頃なお値段で頂けます。
メニューはステーキと焼肉が中心。各テーブルに囲炉裏があり、五徳と炭火にこだわったあみ焼きで、自分のペースで焼いて頂くのがお店のスタイル。店長の大槻さん曰く「炭火で焼くと遠赤外線が表面のたんぱく質を高温で焼いて固めます。すると中に肉汁が閉じ込められて、外側はパリッと焼き目がつき、中はふんわりと焼きあがるんです」とのこと。炭火で焼き上げる極上のお肉は、まさにとろける美味しさです。
▲「神戸髙見牛あみ焼きコース」の「希少部位盛り合わせ」6,000円(税込)の肉盛り合わせ(写真は2人前)
リピーターが一番多いのは、「神戸髙見牛あみ焼きコース」の「希少部位盛り合わせ」だそう。お肉の盛り合わせに加え、前菜・サラダ・ローストビーフ・焼き野菜・ご飯・赤だし・香物・デザート・コーヒーor紅茶という充実の内容ながら、6,000円(税込)ととてもリーズナブルです。
ランチタイム1日10食限定の「グルメ御膳」も大人気です。
◎丹波いちじまふぁーむ 奥丹波の森
最後にご紹介するのは、宿泊施設を備えた参加型農園「丹波いちじまふぁーむ 奥丹波の森」。
無農薬栽培の農園での農作物づくりを中心に、里山ならではの体験や食事ができます。
「丹波いちじまふぁーむ 奥丹波の森」は名前の通り森の中にあり、受付棟でもあるレンガハウスや森の小屋、ツリーハウス、酒樽を活用したよもぎ風呂などの施設が点在。すべてオーナーの荻野拓司さんたちの手作りで、今もなお増え続けているのだそう。無農薬栽培の自家菜園やぶどう園もあります。
自然や季節を楽しむ多彩な体験メニューが揃っていて、例えば春は野山での山菜採りや田植え体験、夏は自分で切った竹で流しそうめんや渓流での水遊び、秋は黒豆の収穫体験や自分で掘ったサツマイモでの焼き芋、冬にはお味噌などの加工品づくりやお餅つきができます。
畑で採れた野菜でBBQや、お手製ピザ窯でのピザ作りなど、通年でできる体験もあります。
自然の中でしかできない体験の数々は、小さな子どもさんがいるファミリーに評判。夏休みの家族旅行におすすめです!
DATA:
◇ いちじま丹波太郎
兵庫県丹波市市島町上垣25-3
Tel:0795-80-3750
営業時間:9:00~17:30
定休日:火曜
https://ichijimatanbatarou.jimdofree.com/
◇ 市島製パン研究所
兵庫県丹波市市島町喜多280-2
Tel:0795-85-2520
営業時間:9:00~16:00
定休日:日曜~水曜
https://ichijima3383.com/
◇ テッラドーノ
兵庫県丹波市市島町酒梨156-2
Tel:0795-85-4755
営業時間:11:30~15:00(LO14:00)、夜は予約のみの営業18:00~21:30(LO20:30)
定休日:水曜
https://terradono.com/
◇ 神戸高見牛牧場直売所・安食の郷
兵庫県丹波市市島町勅使新宮下1037-4
Tel:0795-85-4129
営業時間:精肉販売9:00~18:00、飲食11:00~15:00
定休日:水曜
https://takamibeef.com/
◇ グルメリア但馬 市島店
兵庫県丹波市市島町上田46
Tel:050-5492-9309
営業時間:平日11:00~14:30(LO14:00)・17:00~22:00(L.O.21:00)、土日祝11:00~22:00(LO21:00)
定休日:木曜・第2水曜日
https://takamibeef.com/
◇ 丹波いちじまふぁーむ 奥丹波の森
兵庫県丹波市市島町北奥160
Tel:0795-85-0448
営業時間:10:00~16:30
定休日:月曜・火曜
https://www.okutambafarm.com/
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掲載日:令和7年6月27日