◇「兵庫テロワールlab.」テロワール研究員レポート
食や文化を味わい楽しみ、それらが生まれたルーツや背景を探り、受け継いできた人の想いや技術に触れる。大地の恵みを堪能する“兵庫テロワール旅”の情報を、現地で体感した「テロワール研究員」の視点でお届けします。
「淡路ビーフ」は淡路島が誇るブランド牛
神戸ビーフと同じ生産者による高級和牛が、淡路島ならリーズナブルに味わえます!
淡路島は魚介類が美味しいことで知られる島ですが、実は「神戸ビーフ」になる子牛の半数以上が淡路島で生まれ育っていて、ビーフも美味しいんです!
淡路家畜市場の濱中健一さんに、淡路島の牛肉について教えて頂きました。
《濱中さん談》『淡路島は、但馬牛(たじまうし)の一大産地なんです。兵庫県北部の但馬地方と淡路島が主な生産地で約6割が淡路島産です』。
但馬牛(たじまうし)が、「神戸ビーフ」になるんですよね?
《濱中さん談》『そうです。但馬牛は、兵庫県以外の牛と交配させず、純血を守り続けている兵庫県産黒毛和牛のことで、この但馬牛の中で、厳しい条件をクリアしたものが「神戸ビーフ」になります』。
では、「淡路ビーフ」は?
《濱中さん談》『但馬牛(たじまうし)の中から、厳しい条件をクリアしたものが「淡路ビーフ」になります。「神戸ビーフ」とは評価基準が違うだけです。「淡路ビーフ」の生産者さんも「神戸ビーフ」の生産者で、同じなんですよ』。
「神戸ビーフ」も「淡路ビーフ」も、淡路島で生まれ育った但馬牛(たじまうし)の子牛からとれる牛肉ということ。
《濱中さん談》『淡路島は但馬牛の一大産地なのに、「淡路島」が付くブランド牛がなかったんです。そこで1986年に生産農家や畜産団体などが一体となり、淡路島の最高品質の和牛ブランドとして誕生させたのが「淡路ビーフ」です。
「神戸ビーフ」をはじめとした高級和牛ブランドは「霜降り」の度合いが高いほどランクが上がりますが、「淡路ビーフ」は、「サシと赤身のバランス」を重視しているのが、一番の違いです。
しっかりとした旨味の赤身と上質な脂身が混ざり合って、ほかのブランド牛とは一線を画した味わいです』。
実は淡路島特産の牛肉には、「淡路ビーフ」と「淡路牛」があります。
牛肉を英語に言い換えただけのようですが、実はこの2つは同じものではありません。
《濱中さん談》『「淡路牛」はブランド名ではなくて、淡路島で育った牛、または淡路島での飼育期間が一番長い牛のことです。品種の規定はないので、但馬牛(たじまうし)もいれば、交雑牛やホルスタインなども含まれているので、品質にすごく幅があります。
淡路島には1万7000頭前後の牛がいますが、「淡路ビーフ」に認定されるのは年間わずか200頭前後のみ。入手が難しくて、淡路島でも「幻の肉」と呼ばれるほど希少なんです』。
それほど希少なブランド牛「淡路ビーフ」が食べられるお店を紹介します。
※「淡路ビーフ」の取り扱い店は認定制。買えるお店・食べられるお店は「淡路ビーフブランド推進協議会」のホームページ( https://awaji-beef.com/ )に掲載されています。
「淡路ビーフ」は出荷頭数が非常に少ないため、来店の際は事前確認をおすすめします。
◎海神人(アマン)の食卓 桟敷
神戸淡路鳴門自動車道・淡路ICから車で約10分。
丘の上に建つ堂々とした佇まいのレストラン「海神人(アマン)の食卓」。
1階と2階で異なる料理が提供されていて、1階の「宴」では淡路島で水揚げされた魚介をはじめ旬の食材をふんだんに使った炉端焼や天婦羅が頂けます。
今回ご紹介するのは2階の鉄板料理「桟敷」。
鉄板焼きのお店と聞くと敷居が高いイメージですが、「桟敷」は天井が高く配席もゆったりしていて開放的な雰囲気なので、初めてでも入りやすいのが特徴です。
カウンターキッチンでは、地元以外ほとんど流通しない淡路ビーフや由良港の赤ウニをはじめ、淡路島産を中心とした高級食材をシェフが目の前で調理してくれます。
鉄板焼きコースは8,000円(税サ込)~。
基本のお肉は厳選した淡路牛ですが、どのコースもオプションで「淡路ビーフ」(サーロインまたはフィレ)をチョイスできます。
今回頂いたのは、「風花」8,000円(税サ込)のコース。
写真は、オードブルの「坊勢サバの炙り」と、魚料理の「金目鯛の鉄板蒸し~蛤の出汁で軽く煮込んだ牛蒡と淡路葱」。今が旬の坊勢サバは脂ノリノリでとろけます。シェフが鉄板で蒸し焼きしてくれる金目鯛は上品な味わい。
いよいよメインのステーキ。淡路牛80gを「淡路ビーフ サーロイン80g」に変更(オプション+5,000円)。料理長・小林雅信さんが目の前で焼き上げてくれます。
シェフの巧みな手捌き、お肉の焼ける音や匂いといったライブ感も鉄板焼きの醍醐味です。
《小林さん談》『淡路ビーフは、赤身の中に非常にきめ細かいサシが入っていて、ウェルダンに焼いても適度な脂は残るので、柔らかくて甘くて美味しいんです。赤身が多いので焼き色もとてもキレイにつきます。
サーロインなのに脂が軽くて、極上の口溶け感。柔らかな肉の甘みと旨味が溢れて広がります。さすが最高級ビーフという味わい。
しっかりした旨味ですが後味はあっさりで、脂が苦手な方もおいしく頂けると思います。
胃にもたれる感じもなくて、またすぐ食べたくなるおいしさ。(お値段的に特別な日にしか食べられませんが(笑))
「風花」8,000円のコースには、他に「島サラダ」「ご飯・赤出汁・漬物」「デザート」が付きます。
「桟敷」にはソムリエが選んだワインが常時100種類以上揃っていて、こだわりのワインと共にお料理が楽しめます。お祝いや記念日、デートにもおすすめのお店です。
◎レストラン大公
「淡路ビーフ」のみを取り扱う、地元で長年愛されているレストラン。ミシュランガイドのビブグルマン(価格以上の満足感を得られると評価されたお店に与えられるマーク)にも掲載されたお店です。
津名一宮ICから車で約5分。住宅街の一角にある平屋建ての店内には、テーブル席のほか、座敷や個室もあります。
名物は、熱々の溶岩石プレートで焼き上げる「石焼ステーキ」。遠赤外線効果で内部までじんわり熱が入り、旨味を閉じ込めながらふっくら焼き上がります。
一番人気は、淡路ビーフのステーキがとってもリーズナブルな価格で頂ける「ランチステーキ定食」3,400円~(税込)。店主おすすめは4,650円のロースやランプで、淡路ビーフ約110gとボリュームも十分です。14時以降はステーキ定食4,650円〜。
すき焼きやしゃぶしゃぶもあるので、色んな調理法で淡路ビーフを堪能できます。
◎焼肉平松
神戸淡路鳴門自動車道・西淡三原ICから約1分。
淡路島南部で47年続く、地元で知らない人がいないほどの人気の焼肉店。近隣の指定牧場から直接仕入れた良質な淡路牛をリーズナブルな価格で楽しめるお店で、アットホームな雰囲気の店内には個室とテーブル席、最大30人着席可能な宴会席もあります。
定番メニューは淡路牛の各部位ですが、淡路ビーフも一部取り扱っています。写真は、淡路ビーフのロース2,650円(税込)。
明石海峡大橋を渡れば最高級ビーフが手ごろな価格で堪能できます!
「淡路ビーフ」を目当てに、淡路グルメ旅はいかがですか。
DATA:
◇ 海神人(アマン)の食卓 桟敷
兵庫県淡路市野島常盤1042
Tel:0799-70-9090
営業時間:11:00~15:00(LO13:30)、17:00~21:00(LO19:30)
定休日:火曜
https://amannoshokutaku.jp/
◇ レストラン大公
兵庫県淡路市志筑2821-1
Tel:0799-62-0639
営業時間:11:00~20:30 (L.O pm20:00)
定休日:火曜
http://www.taico.sakura.ne.jp
◇ 焼肉 平松
兵庫県南あわじ市湊里159
Tel:0799-36-3015
営業時間:11:30~14:00(LO13:30)、17:00~22:00(LO21:30)
定休日:水曜
https://hitosara.com/0006010637/
◇ 淡路ビーフブランド化推進協議会
https://awaji-beef.com/
※淡路ビーフは出荷頭数が少ないため、来店の際は事前確認がおすすめ
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掲載日:令和7年2月14日