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国内外の品評会で受賞歴多数!但馬杜氏の技を受け継ぐ酒の町で酒蔵めぐり -兵庫テロワール旅-

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私がレポートします!

稿
西園寺麗音テロワール研究員
男性
30代
兵庫県豊岡市
妻とお茶をすること
生まれも育ちも但馬ですが、大学生以降12年間は但馬の外で暮らしていました。しかし、2024年から不死鳥のごとく、しぶとく舞い戻って参りました。大人になって感じる但馬は、魅力がいっぱいでした。これからも但馬のいろんな景色や自然、観光地、グルメなど実際に現地で体感したいと思います!投稿者名は憧れの名前です(笑)

 


「兵庫テロワールlab.」テロワール研究員レポート
食や文化を味わい楽しみ、それらが生まれたルーツや背景を探り、受け継いできた人の想いや技術に触れる。大地の恵みを堪能する“兵庫テロワール旅”の情報を、現地で体感した「テロワール研究員」の視点でお届けします。

 

歩いてまわれるのが嬉しい!朝来市の酒の町で楽しむ酒蔵めぐり
但馬杜氏の技を受け継ぐ「竹泉」と「但馬」の蔵元で見学&試飲

 

カニの季節ですね。
例年11/6に松葉ガニ漁が解禁になると、国内有数のカニの水揚げ量を誇る香住や浜坂といった兵庫県但馬地域のまちは、まさにカニ一色になります。
カニをはじめ新鮮な魚介は、その土地で作られた地酒と合わせるとより旨い!ということで、僕がおすすめの但馬の地酒を紹介します。

 

 

JR山陰本線・梁瀬(やなせ)駅より徒歩約10分。
兵庫県朝来市の山東町には、国内外の日本酒品評会で圧倒的な成績を収めている酒蔵が2軒揃っています。「田治米(たじめ)」と「此の友酒造」です。
2つの酒蔵は徒歩1分の超近距離にあって、どちらも蔵見学と試飲ができます。ほろ酔いでも道に迷う心配がない、酒蔵めぐりや飲み比べに最適な立地です(笑)

 

◎ 田治米(たじめ)

 

 

「田治米(たじめ)」は創業1702年、「竹泉」の銘柄で知られています。
フランスの「Kura Master」で2017年から8年連続で受賞(内プラチナ賞を4つ、金賞を9つ受賞)していて、ANA国際線ファーストクラス搭載酒にも選ばれたことがある、世界の日本酒ファンから評価されている蔵です。

 

 

19代目蔵元の田治米博貴さんの案内で蔵見学。※蔵見学は1,100円(試飲付き、要予約)。
敷地内には建築された時期にちなんで名づけられた明治蔵、大正蔵、昭和蔵の3つの蔵が並んでいます。

 

 

 

田治米合名会社の一番の特徴は、全て「純米酒」で、ほぼ全ての銘柄が「熟成酒」であることです。

 

《田治米さん談》『新酒などの季節物を除いて、すべての銘柄を2年~3年間、熟成してから出荷しています』。

 

日本酒と熟成の組み合わせは僕にとって意外なのですが、「旨さ」を追求したらそこに辿り着いたと田治米さんの説明はシンプル。

 

 

《田治米さん談》『使うのは全て地元・但馬地域の米。酵母も、戦後から最も多く使われている7号酵母だけ。
いい米の魅力を最大限に活かした酒を造るには、数年かけてゆっくり自然に熟成させて、出来上がった日本酒は活性炭など使わず最低限の濾過だけにするのが一番』。

 

酒蔵の中には、「-5度」と「0〜5度」の冷蔵庫があり、「常温」と合わせ3つの異なる温度帯で、精米歩合や火入れの有無など、それぞれの酒に合わせた調熟が行われています。

 

 

 

《田治米さん談》『氷温化で熟成するのかとよく聞かれますが、お酒は熟成します。温度が低いほどゆっくり熟成が進むので、風味がまろやかになるんですよ』。

 

 

 

蔵見学の後は、一昨年新設された直売所「和泉屋」で試飲タイム。
蔵見学には、5種類のお酒の試飲が含まれています。

 

 

琥珀色が特徴の熟成酒に加え、もう一つ注目は、世界初の専用サーバーで真空保存された生原酒「KEG DRAFT」。蔵人しか飲めなかった搾りたて非加熱の生原酒は、突き抜ける香りのフレッシュ感が半端なく、優しい甘さですごく飲みやすい。

 

 

 

この日、試飲したのは「KEG DRAFT」2種類と熟成酒2種類、そして梅酒。
会話しながら自分に合ったお酒を飲み比べでき、本当に楽しいです♪

 

 

上記写真左から、「竹泉 醇辛Vintage」1.8L・3,300円、「竹泉 香Vintage」1.8L・2,530円、「黒松竹泉」1.8L・2,530円、「竹泉 純米 幸の鳥 生酛 兵庫錦」720ml・3,740円、「竹泉 梅酒」500ml・2,530円 ※すべて税込み。

 

田治米さんが目指す酒造りについて聞いてみました。

 

《田治米さん談》『ずばり「腹が減る酒」。食事と一緒に飲んで「旨い!」って言ってもらえて、料理のおいしさをさらに引き立てるような酒。そして、今日も、明日も、明後日も飲みたくなるような酒ですね』。

 

◎ 此の友酒造

 

次に紹介するのは、1690年創業の「此の友酒造」。
代表銘柄の「但馬」の大吟醸が、9年連続で「全国新酒鑑評会」で金賞を受賞。

 

 

蔵元後継者で今年杜氏になった木村有沙さんは僕の高校の同級生。
「代々受け継がれてきた但馬杜氏の優れた技術をしっかり受け継いでいきたい」とがんばっているので、僕もしっかり呑んで応援したいと思っているんです(笑)

 

 

ちなみに、「但馬杜氏」は「日本四大杜氏」の一つに数えられるほどの歴史と技を誇っています。明治時代、但馬地域には144軒の造り酒屋があったそうですが、現在は香美町の香住鶴、養父市の銀海酒造、そして朝来市の田治米と此の友酒造の4軒のみ。

 

 

「此の友酒造」がこだわるのは、昔ながらの手づくりの酒造り。
そこに欠かせないのが、選び抜いた米と但馬の恵まれた水です。

 

《木村さん談》『300年以上前の創業時からずっと、うちでは洗米から仕込みまで、すべて粟鹿山から流れる天然水を使っています。
酒米は、兵庫県産の山田錦と五百万石。数年前から但馬地域での酒米栽培も手掛けていて、「但馬強力」という幻の酒米の再生にも取り組んでいます。但馬の土地で生まれた酒米は、但馬の酒造りに間違いなく適していると思います』。

 

 

但馬の自然が育んだ良質な水と米を使い、但馬杜氏の技で仕上げる酒。
但馬の小さな蔵が、全国の有名酒造と肩を並べ、数々の賞を獲得しているのは地元の誇りです。「全国新酒鑑評会」9年連続金賞のほかに、世界一美味しい市販酒を決める品評会「SAKE COMPETITION」1位など、たくさんのコンテストの受賞歴があるんですよ。

 

 

 

蔵見学(無料)の後は、直売所で好きなお酒を試飲できます。

 

 

 

「此の友酒造」では日本酒以外に、自家醸造で仕込む米や麦の焼酎、果実リキュールなど、さまざまな酒造りにも果敢に挑戦しているので、多種多様なお酒が揃っています。
試飲は、日本酒は1杯300円、リキュールは1杯200円。

 

 

普通酒から純米、大吟醸まで各種揃う看板銘柄の「但馬」。上記写真左から2番目は、SAKE COMPETITION」1位を受賞した「大吟醸 但馬 極上」。
価格は左から「大吟醸 但馬 至高」7,150円、「大吟醸 但馬 極上」4,400円、「大吟醸 但馬 天」3,630円、「純米吟醸 但馬 舞」2,640円です。

 

 

「田治米」、「此の友酒造」があるのは、かつて但馬の玄関口として栄えた朝来市山東町の矢名瀬。
2つの蔵のお酒は、但馬地域の道の駅でも販売しているので、但馬でカニを買った際には地酒も手に入れて、ぜひ家で一緒に味わってみてください!

 

DATA:
◇ 田治米合名会社

兵庫県朝来市山東町矢名瀬町545
Tel:079-676-2033
営業時間:8:00〜17:00
定休日:日曜・祝日
※蔵見学(試飲付き)は要予約で、1名1,100円(税込)
http://www.chikusen-1702.com/

 

◇ 此の友酒造
兵庫県朝来市山東町矢名瀬町508
Tel:079-676-3035
営業時間:9:00~17:00 ※7月・8月は~16:00
定休日:日曜
※蔵見学は無料で要予約。試飲は有料
https://konotomo.jp/
https://www.instagram.com/konotomo_sake_brewery/

 

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掲載日:令和6年10月11日       グルメ 

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