全長52mの坑道は、無料で自由に見学OK。夏でも涼しいんですよ!
猪名川町をはじめ4市3町にまたがる南北約10km、東西約12kmの広大な鉱山、多田銀銅山をご存知でしょうか?1973年に閉山となり、千年に渡る銀銅山としての歴史に幕を閉じた多田銀銅山遺跡は、2015年に国の史跡に指定されました。特に上質な鉱脈を有していた猪名川町には、多田銀銅山遺跡の魅力を楽しめるポイントが揃っています。
多田銀銅山の歴史は古く、奈良時代に東大寺の大仏を建立する際にも使われたと伝えられています。実は、多田銀銅山は豊臣秀吉の埋蔵金伝説の地としても知られているんですよ。秀吉が晩年、子どもの将来を案じて四億五千両、金塊にすると3万貫(112.5t)を埋めさせたという言い伝えが残っているのです。度重なる探索を経ても一欠けの金も発見されていませんが、歴史と浪漫は感じます。
猪名川町にある銀山地区は、広範囲な鉱山の中でも特に上質な銀を有する鉱脈が発見されたため、豊臣政権時には直轄鉱山でした。
銀山地区を散策する際はまず、「多田銀銅山悠久の館」に立ち寄るのがおススメです。銀銅山の歴史などを紹介しているほか、休憩スポットにもなっています。
▲ 多田銀銅山悠久の館
みどころは色々あるのですが、必見なのは中に入って見学できる「青木間歩」という坑道(間歩)です。全長52mある坑道内は、気温が15度前後と一定のため、夏は涼しく冬は暖かいんですよ。暑い時期の散策中は涼をとる格好の場所になります。暗い穴を進んでいくスリルで、気分的にもヒヤッとできるかもしれません(笑)
手で綺麗に削られた跡がある一方で、昭和に削岩機で堀った丸い穴も残っています。奥の方まで進んで天井を見上げると、青白い鉱脈を見ることもできるので、じっくり観察してみてください。9時~17時までは無料で自由に見学できます。
レンガ構造物が現存している製錬所跡地の悠久広場や、鉱脈が地表に現れている「大露頭」も迫力があります。外側からしか見られませんが、秀吉ゆかりの「台所間歩」や「瓢箪間歩」、鉱山の神様を祀っている「金山彦神社」なども見どころです。
▲ 瓢箪間歩
▲ 大露頭
▲ 金山彦神社
地区の散策のスタート地点となる「多田銀銅山悠久の館」から先は、車の乗り入れはできません。「青木間歩」までは15分ほど。見どころに立ち寄りながら一番奥の「瓢箪間歩」まで歩くと1時間ほど。ヘビノネゴザ(通称カナヤマシダ)やハクサンハタザオなど、鉱山特有の植物なども観察しながら、ゆっくり散策するのがおすすめです。
DATA:
多田銀銅山悠久の館
兵庫県川辺郡猪名川町銀山字長家前4-1
TEL 072-766-4800
営業時間:9:00~17:00
月曜定休
http://www.town.inagawa.lg.jp/kanko/rekishi/tadagin_douzan/1417955802147.html