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絶妙なコシとのど越し!幻の「淡路島手延べそうめん」~ 伝統的な“手延べ”製法を体験 -兵庫テロワール旅-

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私がレポートします!

稿
awaiテロワール研究員
女性
30代
兵庫県洲本市
子供のサッカー観戦
淡路島観光協会の職員として広報等の担当をしています。観光地としてどんどん進展していく淡路島に追いていかれないよう日々勉強です!新しいモノ・ずっとあるモノ、どちらも、淡路島育ちの私だからこそお伝えできるよう、これからも島の魅力を発信していきたいです。

 


「兵庫テロワールlab.」テロワール研究員レポート
食や文化を味わい楽しみ、それらが生まれたルーツや背景を探り、受け継いできた人の想いや技術に触れる。大地の恵みを堪能する“兵庫テロワール旅”の情報を、現地で体感した「テロワール研究員」の視点でお届けします。

 

150年以上も受け継がれている「淡路島手延べそうめん」作りを体験
2019年オープンの淡路島初のそうめん専門店で、温かい絶品にゅうめんも!

 

 

「淡路島手延べそうめん」ってご存じですか?
流通量が非常に少ないため、「幻のそうめん」とも呼ばれているそうめんで、淡路島の南部・福良地域で作られています。
「淡路島手延べそうめん」の始まりは1800年代半まで遡るといわれ、何と150年以上もの歴史があるんですよ。

 

 

淡路島にそうめんを広めたのは、1865年創業の老舗「金山製麺」の創業者一族にあたる人物だと伝えられています。
淡路島そうめんの元祖といえる「金山製麺」で、「淡路島そうめん」の製造体験ができるので、その様子をレポートします。

 

 

「金山製麵」6代目・金山守良さんがまず、歴史や製法を説明してくださいました。

 

《金山さん談》『金山製麺の祖先が、伊勢参りからの帰り、奈良の三輪地方で見かけたそうめん作りに魅了され、三輪で約2年間そうめん作りの修行を積みました。その製法を故郷の福良に持ち帰って広め、冬の間の漁師たちの副業として、そうめん作りが始まったのです』。

 

 

それが江戸時代後半、天保年間(1830年~1843年)のこと。
淡路島は年間降水量が少なく、さらに南あわじ市は、冷たい季節風が吹くため、乾燥が欠かせないそうめん製造に最適な条件を備えていました。また、関西圏や四国への海上交通として便利な立地であったことも手伝い、漁師の副業として製造が拡大。製麺所も次々に誕生し、最盛期には約130軒が製造を手掛けていたそうです。

 

《金山さん談》『淡路島の手延べそうめんは品質が高く、明治時代には、各地の博覧会や品評会で様々な賞を受賞しました。
しかし、戦時における減産や、他の産地との競争などで製麺所が減ってしまい、現在も製造を続けているのは10数軒。ただ全国的に機械化が進む中、淡路島手延べそうめんは昔ながらの“手延べ”にこだわり続けています』。

 

 

《金山さん談》『一般的な機械式製法と比べ、“手延べ”は手間も時間も何倍もかかります。気温や湿度によって塩の量や熟成時間を調整し、気候によって作る種類も違います。
例えば、うちで最も細い0.4~0.5mmの「いざなぎ絲」が製造できるのは、乾燥していて極寒の2月だけ。0.1mm単位の細さに伸ばすには、生地の状態がとても重要なんです。
そうめんの素材は、小麦粉と塩。ものすごくシンプルですが、作り方で、風味もコシの強さものど越しも、格段に変わるんです』。

 

 

ちなみに、「金山製麵」の商品で最も細い「いざなぎ絲」は、まさに糸のような極細で、茹で時間はわずか30秒。
これこそ、機械では不可能な、手延べならではの極細麺。
細く仕上げるには熟練した職人の技が必要なことから、そうめんは細いほど高価とされているため、まさにしく最高級の逸品です。

 

《金山さん談》『手づくりなので大量生産できず、産地の規模も小さいため、淡路島手延べそうめんの生産量は全国手延べ素麺生産量の1%以下。
品質の高さに希少性も加わって、そうめんファンの方々の間では“幻のそうめん”と呼ばれることもあります』。

 

手延べそうめんの製造体験
お土産のそうめん付き

 

「金山製麵」の製造体験でできるのは、伝統的な「手延べ製法」の中で、「小引」と「門干し」という2工程。

 

 

「小引」では、2本の管に8の字に掛けられた麺を、引き伸ばします。
30cmぐらいの麺を、70~80cmほどまで伸ばすのですが、麺の弾力がすごくて、結構な力が必要。座って全身を使う作業姿勢に納得です。
「小引」の前に幾つも工程があり、まず小麦粉に塩水を加えて練り、引き伸ばしを何度も繰り返して太い棒状にし、一回目の熟成を行います。熟成後、麺を撚りながら伸ばし、2本の管に8の字に掛けた後が、「小引」です。

 

 

 

 

次に「門干し」は、「小引」で伸ばした麺を、2本の長箸で麺を上下に分けながら、細く伸ばしていきます。上からと下から何度か繰り返し、最終的に200cm以上にまで伸ばします。
麺の間に箸を入れるのが難しい! でも一気にそうめんらしい見た目になるのが面白いです。
体験はここまで。

 

 

伸ばした麺は、ハタと呼ばれる乾燥用の道具に掛け、約3時間の乾燥が必要なため、食べたり持ち帰ったりはできません。代わりに、お土産がもらえます。

 

体験で作った麺は、太さが均一でないこと等でキレイに乾燥仕上げができないため、基本的に後送もありませんが、希望者は仕上げ・包装代+送料の負担で、郵送してもらうこともできるそうですよ。

 

 

お土産のそうめんは5束入りのもので、種類はその日のお楽しみ。
写真の「御陵糸」は麺の太さは0.7~0.8㎜で一束約450本。「淡じ糸」は、太さ1.2~1.3mmで一束約250本。どちらも昭和45年から販売されている、淡路島手延べそうめんの代表銘柄。「ちどり絲」は、戦時中の混乱で消滅したものを復刻した銘柄で、やや太めの1.5~1.6mm。

 

淡路島手延べそうめんの製造所は10数軒
食べ比べてみるのも楽しいです

 

淡路島福良には、淡路島手延べそうめんの製麺所が10数軒あり、ほとんどの製麺所で商品購入ができます。製麺所巡りをして、食べ比べてみるのも楽しいですよ。製造体験や見学を実施しているところもいくつかあります。
製麺所の情報は「淡路手延素麺協同組合」のサイト(https://awajimen.wixsite.com/mysite)に掲載されています。

 

淡路島初のそうめん専門店
にゅうめんや流しそうめんが頂けます

 

 

お土産はもちろんですが、せっかくなら産地で淡路島そうめんを食べたい!という人は、淡路島初のそうめん専門店「手延べそうめん処金山 ら福」へ。
「金山製麺」が2019年にオープンした店で、常時5種類ほどのにゅうめんに加え、季節限定のメニューも揃っています。

 

 

店内には、流しそうめんが食べられる円卓もあって、一年中流しそうめんも楽しめるので、ファミリーに大人気です。1人前600円・2名以上で要予約。

 

 

写真は、甘辛い牛肉とシャキシャキの水菜が乗った「淡路牛にゅうめん」900円(税込)
麺を知り尽くしている製麺所が作るメニューは、どれもさすがの味わいで、家でも真似したいアレンジがいっぱいです。

 

淡路島で、そうめんの美味しさを再発見してみてください。

 

DATA:
◇ 金山製麺

兵庫県南あわじ市福良乙604-2
Tel:0799-52-0268
営業時間:9:00~17:00
【そうめん製造体験】
実施時期:10月~4月(5月・6月は冷や麦の製造体験を実施)
実施時間:日によって異なるため要問合せ
費用:1人2,500円(税込)お土産付き
※要予約・1名から体験可(最大5名)・体験時間は約1時間
https://kanayamaseimen.com/

 

◇ 手延べそうめん処金山 ら福
兵庫県南あわじ市福良甲1529-3
Tel:080-8348-8954
営業時間:11:00~15:00
土曜・日曜・祝日のみ営業
https://www.instagram.com/lafuku_tenobesomen/

 

◇ 淡路手延素麺協同組合
Tel:0799-52-0701
https://awajimen.wixsite.com/mysite

 

※記事中の価格はすべて税込みです。

 

【兵庫テロワール旅 関連情報】

兵庫ならではのテロワールを体験できる“おすすめツアー”をご紹介

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船は2021年に新造船され、最新設備と快適性を追求した帆船タイプの大型遊覧船「新咸臨丸」を使用します。新咸臨丸の定員は500人ですが本プランでは皆様に優雅に非日常体験をしていただくために乗船定員を120名に限定いたしますので、ゆったりとした船旅を楽しんでいただきます。

 

詳しくはこちら:https://www.hyogo-tourism.jp/terroir/experience/83/

 

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掲載日:令和4年12月16日    体験 グルメ 

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