◇「兵庫テロワールlab.」テロワール研究員レポート
食や文化を味わい楽しみ、それらが生まれたルーツや背景を探り、受け継いできた人の想いや技術に触れる。大地の恵みを堪能する“兵庫テロワール旅”の情報を、現地で体感した「テロワール研究員」の視点でお届けします。
400年以上の歴史を持つ「淡路瓦」。2,200円で表札や看板がつくれる製作体験!
国立公園に10年間飾れる「プロポーズ瓦」製作は、なんと破格の3,300円!
淡路島は「淡路瓦」という、いぶし瓦の生産量が全国一なんです。
渋い銀色のカッコいい瓦なんですが、その「淡路瓦」の粘土を使った、記念日にぴったりのスペシャルな製作体験をご紹介します。
一つ目は、看板や表札などが作れる製作体験。
二つ目は、「プロポーズ瓦」製作体験です。
淡路島の瓦づくりは、江戸時代初期、由良成山城の築城をきっかけに始まったと伝えられ、400年以上の歴史があります。
そんな「淡路瓦」の製作体験ができるのは、神戸淡路鳴門自動車道・西淡三原ICから車で約10分、田んぼが広がるエリアにある「淡路島かわらや 安冨白土瓦」です。
代表・安冨義和さんに、まずは「淡路瓦」の特徴を教えて頂きました。
《安冨さん談》『瓦づくりで最も重要なのは、土です。淡路島の土は、粒子がとても細かくて、形が作りやすく縮みが少ないという、上質な瓦をつくるための条件が揃っているんです。
さらに、「いぶし瓦」は、燻すことで瓦表面に炭素の膜をつくるんですが、淡路島の土は鉄分を豊富に含んでいるため、強くて色合いも良い炭素膜ができる。
だから、淡路島の「いぶし瓦」は、きれいな深い銀色の発色と、色持ちの良さが魅力なんです』。
「淡路瓦」は、三州瓦、石州瓦と並ぶ日本三大瓦の一つ。
瓦全体の生産量としては、他の二大産地が圧倒的に多いものの、「いぶし瓦」のシェアは淡路島が日本一。現在も島内では、約60軒の瓦製造業者が伝統の技術を生かしながら製造を行っているのだそう。
《安冨さん談》『屋根に瓦を使わない家が増える中、「淡路瓦」は時代に合わせて進化しています。
屋根材としては、ズレたり落ちたり跳んだりしない防災瓦といったものができました。
さらに、伝統的な「いぶし瓦」は吸湿・保水効果がとても高いので、この特徴を活かしながら現代的な空間に似合うデザインに加工し、屋根材としてだけでなく、壁や床材、モニュメントなどにも使われています』。
そんな淡路瓦の魅力を発信するべく、安冨さんは2000年に体験工房をオープン。
「淡路瓦は粘土を固めて焼く、自然のものです。
製作体験は、まさに淡路島の土と文化に触れるということ。実際に土に触れると、質感とか匂いとか、言葉で説明するよりもっと色んなことが感じられると思うんですよ」。
オープンしたばかりの自分の店の看板づくりに挑戦!
表札や時計、ランプシェードなど色んなものが作れます。
私も早速、体験開始。
表札や看板、時計、ランプシェード、コースターなど色々なものが作れます。
淡路瓦は、渋い銀色で光沢感があって、モダンな空間に合わせるととってもカッコいい。
今回私は、先月オープンしたばかりの自分のお店に飾る看板づくりに挑戦。
選んだのは「23cm角タイル状板瓦粘土使用」の2,200円(税込)の体験プラン。一生モノの看板や表札が作れて2,200円って、とってもお得です‼
簡単な説明ビデオを見た後、まずは紙にデザインを描きます。
私はお店のロゴを使いたかったので、自宅でデザインを描いて持参しました。
飼い犬だった柴犬の名前・コロンが店名で、ロゴは犬の足型。
23cm角の粘土にデザインを描いた紙を重ね、鉛筆でなぞっていきます。
次に、粘土に写った線を再度、鉛筆でなぞり、いよいよ彫り始めます。
足型はスイスイ進んだのですが、字を彫るのが難しい!でも粘土なので、失敗してもやり直せます。
向かい側では、表札を製作中。23cm角の粘土板は、飾る場所に合わせて、好きな大きさにカットできます。
「名前を書くだけだから簡単だと思ってたけど、字が浮かびあがるように彫るって、めちゃくちゃ難しい!」とのこと。
一人暮らしを始めた新居の表札にするそうです。
彫って、失敗したら土を戻して、また彫って。
深さを調整して、線を整えて、余分な土を払って。
自分の店に飾る記念の看板なので、ゆっくりじっくり作れるのがうれしい。
作業すること約1時間、出来上がり!
これを工房に預けて、乾燥と焼成をしてもらって、2カ月ほどで完成。私は引き取りに来ますが、作品は発送してもらえます。※送料別途必要
とっても楽しみ♪ 仕上がってからアクリル絵の具で色付けもできるそうですよ。
淡路島最大の海水浴場にある「プロポーズ街道」に
愛のメッセージを刻んだ瓦を10年間飾れる製作体験
南あわじ市にはもう一つ、他では絶対にできないスペシャルな瓦の製作体験があります。それが、「プロポーズ瓦」の製作。
瀬戸内海国立公園に指定されている「慶野松原」に、「プロポーズ街道」と名付けられた松林の小道があって、そこに飾る権利が付いた瓦の製作体験なのです!
「プロポーズ街道」には、「愛してる」「結婚したらまた来ような」といった恋人たちのメッセージが刻まれた瓦がズラリと並んでいます。
飾られる最低期間は10年なのですが、今のところ30年以上前にこの体験が始まった際に製作した瓦もまだ飾られているそうです。
「プロポーズ瓦」の製作ができるのも、「淡路島かわらや 安冨白土瓦」です。
ハートが描かれた30×25cmのタイル状の板瓦粘土を使用。看板や表札の製作と同じように、文字や絵柄を彫っていきます。
プロポーズの言葉はもちろんですが、結婚記念日や子供の誕生記念、子どもの手形やペットの足形など、さまざまな記念や思い出を刻むことができます。
「慶野松原」は、約5万本の淡路黒松が生い茂り、白い砂浜が約2500mも続き、日本の渚百選や夕陽百選などにも選ばれているとてもキレイな浜辺です。映画やテレビのロケ地としても良く使われているそうですよ。
こんな美しい場所に10年以上も“愛のカタチ”が飾れて3,300円って、破格過ぎてびっくり(笑)
自分たちの瓦が飾られたところを見るために、結婚後に子どもに見せるためにと、再訪する人も多いそう。記念日や節目、初心に帰りたい時なんかに、訪れる特別な場所になるんですね。
「プロポーズ瓦」の製作体験は、プロポーズのきっかけに、家族の記念に、旅の思い出に、プライスレスの体験だと思います。
「淡路島かわらや 安冨白土瓦」ではお土産にぴったりな、淡路瓦の粘土で作った雑貨や食器なども製作・販売していますよ。
上の写真は、鬼瓦のお香立て700円、箸置き900円、瓦皿600円。※すべて税込
製作体験の工房内にある「焼処かわらや」では、炭火の上に淡路瓦を置き、その上で焼き肉をする「かわら焼き」が頂けます。
淡路瓦の上で焼くと、遠赤外線の力で素材の旨味が凝縮されるのだとか。
淡路島産のゴールデンボアポークという猪豚をはじめ、淡路たまねぎなど、淡路島産の食材にこだわった「かわら焼き」は一人前2,200円です。
DATA:
◇ 淡路島かわらや 安冨白土瓦
兵庫県南あわじ市松帆脇田105-2
TEL:0799-36-2303
淡路瓦粘土彫刻体験10:00~16:00
定休日:木曜
https://www.awaji-taiken.com/
https://www.instagram.com/yasutomi_kawaraya/
◇ 慶野松原・プロポーズ街道
兵庫県南あわじ市松帆古津路
問い合わせ先:淡路島観光協会南あわじ観光案内所
TEL:0799-52-2336
https://www.city.minamiawaji.hyogo.jp/soshiki/shoukou/keinomatsubarapuropo-zu.html
※記事中の価格はすべて税込みです。
【兵庫テロワール旅 関連情報】
兵庫ならではのテロワールを体験できる“おすすめツアー”をご紹介
大迫力!スーパーうずしお見学! 更に12日間限定でDC特別企画サンセットクルージングを設定! ~船上生演奏付き・優雅でロマンチックなひとときを~
世界遺産を目指している類まれな自然美『鳴門海峡の渦潮』。約6時間毎に起こる潮の干満と鳴門海峡の早い潮流、そして海底の地形によって生じる自然現象で、うずの大きさは直径30mに達することもあり世界最大級と言われています。
なかでも渦が大きくなる大潮と大渦の日に兵庫デスティネーションキャンペーン特別企画サンセットクルージングを実施し、雄大な大渦とロマンチックなサンセットに包まれる中で、優雅な生演奏が奏でられ、日常から切り放された特別な空間で、特別な体験をしていただくことができます。
船は2021年に新造船され、最新設備と快適性を追求した帆船タイプの大型遊覧船「新咸臨丸」を使用します。新咸臨丸の定員は500人ですが本プランでは皆様に優雅に非日常体験をしていただくために乗船定員を120名に限定いたしますので、ゆったりとした船旅を楽しんでいただきます。
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掲載日:令和4年12月2日 体験 グルメ