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グルテンフリーで注目度急上昇◎ 最高級酒米「山田錦」お米スイーツへの挑戦 -兵庫テロワール旅-

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私がレポートします!

稿
Y.Yテロワール研究員
女性
20代
淡路島
スポーツ観戦・旅行・カラオケ
4年前に香川県から淡路島へ移住しました。移住をきっかけに県内を旅行するようになり、兵庫に魅了された一人です。日本海や瀬戸内海に中国山地など、多彩な風土に恵まれた、魅力あふれる兵庫の観光情報をお伝えし、ひとりでも多くの方に訪れていただけるよう情報を発信していきます。

 


「兵庫テロワールlab.」テロワール研究員レポート
食や文化を味わい楽しみ、それらが生まれたルーツや背景を探り、受け継いできた人の想いや技術に触れる。大地の恵みを堪能する“兵庫テロワール旅”の情報を、現地で体感した「テロワール研究員」の視点でお届けします。

 

グルテンフリー食材のブームで、注目度急上昇の「米粉」
最高級の酒米「山田錦」100%を使った「お米スイーツ」が続々誕生

 

 

日本酒は米からつくられますが、実は私たちが普段食べているお米とは違い、日本酒専用の「酒米」という米でつくられることがほとんどです。
そして“酒米の王様”と呼ばれるのが「山田錦」。
兵庫県は「山田錦」の生産量日本一なのです。
実は近年、グルテンフリーブームの高まりから、最高級の酒米「山田錦」を米粉として用いた新商品が続々誕生。その開発の背景と魅力をレポートします!

 

 

「山田錦」が“酒米の王様”と呼ばれるのは、銘酒と評される酒の多くに使われているからです。例えば、全国新酒鑑評会で金賞を受賞する酒のほとんどが、「山田錦」を使用して製造されています。中でも、兵庫県産の「山田錦」は別格といわれ、全国500 以上の酒造会社が指名買いするほど。
ただ、若い世代の日本酒離れやコロナ禍によって、酒米の需要は減少が続いているのです。そうした状況で最近注目を集めているのが、「山田錦」の米粉で作ったグルテンフリーの食品の数々。

 

バウムクーヘン総選挙で7位入賞
三木市産山田錦の米粉100%のバウムクーヘン

 

 

県内最大の産地である三木市で昨年、山田錦100%のバウムクーヘンの製造販売を始められた農業法人稔樹を訪ねました。出迎えて下さったのは、この地で山田錦を栽培している藪西史丈さん。

 

 

《藪西さん談》『三木市は、谷あいにあるため寒暖差が大きい恵まれた気候、水分や養分が多い粘土質の土壌といった、山田錦に適した条件が揃っているので、県内最大の生産地なんです。僕も現在、12.5ha、甲子園球場約3個分の耕作地を管理しています。
山田錦は普通の稲よりも背が高く、粒が大きくて重いため、倒れやすい。じっくり熟すため一般的な米より収穫期が遅く、台風にもあいやすい。とにかく生産に手間暇がかかるんです。』

 

酒米とは、字の通り日本酒を造るためのお米ですが、私たちが普段食べているお米とは、品種も栽培方法も違います。

 

《藪西さん談》『大きな違いは、粒の大きさと、“心白(しんぱく)”の有無です。酒米の表面にはタンパク質を多く含む層があって、中心にタンパク質が少ない“心白”があります。普通の米には、“心白”はほとんどありません。酒造りでは、タンパク質が多いと透明感のある味が出ないため、“心白”の部分を残して表層を削り取るんです。』

 

 

大粒で心白も大きく、さらに、麹菌の活性に欠かせない水分の吸収性も高めるなど、三木市は古くから酒造メーカーと協同で品質向上への努力を続けることで、酒米として不動の地位を獲得。しかし近年、若い世代の日本酒離れに加え、コロナ禍で輸出も減少。
藪西さんは、農地の管理や買い取りを相談されることが増えたのだとか。

 

《藪西さん談》『山田錦を守り継ぐためにも何とかしなければと考えていた時、米粉スイーツを生業としていた田中と打越と出会い、3人で農業法人を設立しました。
僕が育てた山田錦を使って、他の2人が菓子を作り、自分たちで販売まで手掛けています。
最初に開発したのが「山田錦バウム」。
田中と打越は米粉が専門のパティシエですが、粒が大きくて“心白”も大きい山田錦は、食用米の米粉とは全く違うそうで、当初は失敗の連続。
でもこれが逆に、ほかの米粉とは違う、山田錦ならではの美味しさを引き出すことに繋がり、すごくしっとりしたバウムクーヘンが出来上がりました。』

 

 

山田錦の米粉100%の「山田錦バウム」1,400円(税込)。
昨年販売開始されたばかりにも関わらず、ご当地バウムの頂点を競うイベント「バウムクーヘン総選挙」の今春開催されたファイナル総選挙で見事7位に入賞した。

 

 

《藪西さん談》『米粉でイメージされるパサパサ感は全くない。小麦粉で作ったバウムクーヘンと遜色ないどころか、米粉を使っていることでより美味しいと評価してもらえてうれしいですね。』

 

しっとりなめらかな口当たりで、やさしい風味で、ホールを丸ごと食べたいぐらいおいしい!
山田錦の米粉100%で、小麦粉は不使用。小麦アレルギーの子どもがいる友人に贈ってあげたいです。

 

 

《藪西さん談》『三木市の米農家は、最高級の酒米を造っているという自負があって、山田錦に対する熱意やこだわりが凄いんですよ。もし10年前なら、「山田錦を粉にして菓子を作るなんてけしからん!」って怒られたはずです(笑)
当社の製品はアスリートの方にも好評で、米粉はグルテンフリー食材としてもっと色んな可能性があると思います。
そして、山田錦は、一般的な食用米より高価ですから、プレミアムな米粉だからこその商品開発が必要。品数を増やし、子供から大人まで楽しめる商品で地元の活性化にも繋げたいと思っています。』

 

有機栽培の多可町産山田錦を使った米粉スイーツ専門ブランド「田田田堂」

 

 

神戸のマヌカハニー専門店「HoneyMother」でも今年、山田錦を使った米粉菓子専門の新ブランド「田田田堂(たたたどう)」が誕生。
阪急御影駅から徒歩10分ほどにある店舗で、代表の西田智祐さんに山田錦のスイーツづくりを始めた経緯を聞きました。

 

 

《西田さん談》『娘の食物アレルギーをきっかけに、以前から、小麦・卵・乳をはじめとする「7大アレルゲン」を使わない自家製スイーツを手掛けていました。小麦に代わる米粉は欠かせない食材なんです。ただ以前使用していたのは、製菓・製パン向けに品種改良された、熊本県産ミズホチカラの米粉。これも素晴らしい米粉でしたが、誰が作っているか知るすべもない私達には、その物語を語ることはできませんでした。』

 

そして2020年、兵庫県多可町の生産者との出会いを機に、山田錦を知ることになったそう。

 

《西田さん談》『20代の若い生産者さんで、米農家の7代目。山田錦の伝統を未来に繋げていきたいという熱い想いや、環境へ配慮した無農薬・有機栽培への熱意に共感して、一緒にやりたいと思ったんです。』

 

 

山田錦を使った米粉のスイーツづくりに着手。産地へも度々足を運び、昨年ついに新ブランドを立ち上げ。

 

《西田さん談》『有機栽培の山田錦は、米粉にしても、本当に贅沢な美味しさ。土壌も肥料も最高レベルですから、深い甘みとうま味があります。粘りが少ない特性は焼き菓子に適していて、絶妙なサクサク感が引き出せるんです。』

 

目指すのは、「小麦の代用品として米粉を使うのではなく、“山田錦だからおいしい”商品」だという。

 

 

看板商品は、おつまみにぴったりな塩味のサブレ、焼き菓子のガレットとボール。
写真は、山田錦サブレのトマトやピスタチオ、各12枚入り500円、アソート缶は1,500円。山田錦ガレットのアソート缶1,500円。山田錦ボールのいちごと抹茶、各6個入り500円~600円。※すべて税込み

 

 

山田錦の麹と甘酒で作った「お米のソフトクリーム」400円も大人気。
さらっとした口当たりで、優しい甘さでしっかりソフトクリームなのに、乳製品をはじめ動物性原料を一切使っていないというから驚きです。

 

《西田さん談》『娘もそうなのですが、乳製品アレルギーでソフトクリームを食べたことがない子供たちに食べさせてあげたい。』

 

と、「お米のソフトクリーム」は、店舗への卸販売も計画。
スイーツに留まらず、麺の開発も始めているそうです。

 

《西田さん談》『米粉が日本中に広がれば、生産農家の助けになって、日本の米文化が守れます。それにお米なら、アレルギーの人も、グルテンフリー食に取り組む人も、垣根なく楽しめます。もっと色んな形で、国内外に日本の米の魅力を発信していきたいと思っています。』

 

山田錦を使った日本酒が70種類以上
山田錦のみそやパンも揃う「山田錦の館」

 

 

山田錦について知りたい人は、三木市の「山田錦の郷」へ。
場所は、中国自動車道・吉川ICから約1km。
年間40万人ほどが訪れる人気スポットで、敷地内に「山田錦の館」と、日帰り温泉施設「吉川温泉よかたん」があります。

 

 

「山田錦の館」内には、酒米ミュージアムがあり、山田錦を使った日本酒が70種類以上も販売されています。さまざまな賞を獲得している銘酒もズラリ。他では買えない「山田錦の郷」オリジナルもあります。

 

試飲カウンター「おためし処」が設けられていて、1杯100円~300円で色んなお酒を試すこともできます。こんな種類がたくさんあると色んなお酒が気になるので、飲み比べてから購入できるのがうれしいです。

 

 

館内に加工場があり、山田錦を使ったオリジナル商品も多数製造販売しています。
写真は、山田錦みそ650g:890円、山田錦の白みそを練りこんだパン・キューブ180円、山田錦の米麹100%の甘酒450円、山田錦の生こうじ500g:700円。※すべて税込み価格

 

 

地元農産物の販売コーナーもあり、新鮮な旬の野菜が所せましと並んでいます。鮮度高くて安いことから地元の人にも人気なため、午前中で売り切れるものが多いそうですよ。
地元食材をテーマにしたレストランや、日帰り温泉施設もあるので、休日のお出かけにおすすめです。


 

健康志向が高まり、欧米ではグルテン市場が急拡大しているそうなので、日本の米粉を使った商品への注目度も上がっていく気がします。
地産地消になるので、地元産山田錦を使ったヘルシーなお米スイーツがどんどん増えて、手軽に楽しめるようになって欲しいです。

 

 

DATA:
◇ 稔樹 miki

兵庫県三木市別所町東這田8-1
TEL:0794-88-8351
https://mikifarm.jp/
https://www.instagram.com/miki_yamadanishiki_sweets/

 

◇ ハニーマザー 神戸店
兵庫県神戸市東灘区御影中町4-8-8
TEL:078-224-5439
営業時間:11:00~18:00
定休日:水曜(年末年始/お盆期間は休み)
https://honeymother.jp/
https://www.instagram.com/honeymother_kobe/

 

◇ 山田錦の館
兵庫県三木市吉川町吉安222
TEL:0794-76-2401
営業時間:9:30~21:00
定休日:月曜(祝日の場合は翌日)
https://www.76-2401.com/
https://www.instagram.com/yamadanishiki.no.yakata/

 

※記事中の価格はすべて税込みです。

 

 

 

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掲載日:令和4年9月16日    体験 グルメ 

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