「兵庫テロワールlab.」テロワール研究員レポート
食や文化を味わい楽しみ、それらが生まれたルーツや背景を探り、受け継いできた人の想いや技術に触れる。大地の恵みを堪能する“兵庫テロワール旅”の情報を、現地で体感した「テロワール研究員」の視点でお届けます。
海苔の加工作業を間近で見学!「すまうら水産のり工場」へ
冬は海苔の収穫・加工がもっとも盛んになる季節。普段ごはんのお供として口にしている海苔がどうやって作られるのか、加工の様子を「すまうら水産」の海苔工場で見学できると聞いて、実際に行ってみました!周辺の散策が楽しめるスポットもあわせてご紹介します♪
■海苔ってどうやってできるの?「すまうら水産のり工場」へ
JR須磨駅で下車すると、目の前に広がる須磨海岸。潮干狩りや海水浴を楽しむレジャースポットとして人気のエリアです。遊びの場としてはもちろん、漁業も盛ん。大阪湾の豊富な栄養と、明石海峡の潮の流れによって、海産物がおいしく育ちます。
駅から徒歩5分の場所にある「すまうら水産のり工場」。12月から4月にかけて海苔の養殖・収獲・加工を行っています。工場はほぼ24時間フル稼働!平日9:00~15:00まで見学できますが、日によって実施のない場合もあるので、事前に電話で問い合わせを。
工場へ入る前にタイミングが合えば、海苔の収穫から帰ってきた潜り船の様子を見ることもできます。船の先端についている角(つの)で海苔の網を引き揚げ、成長した海苔だけを刈り機でカット。1日に約30万枚もの海苔が作られるそう。
工場内は機械がたくさん!ここで年間約3,000万枚もの海苔が加工されています。
案内してくれたのは、スタッフの中家さん。収獲した海苔は長く、掴むと尾を引きます。
海苔はホースでタンクへ運ばれ、複数回に分けて洗浄されます。海水を注入しながら高速で回転させることで、海苔に付着したエビなど余分なものを取り除いていきます。
洗浄が終わると、専用の機械を使って海苔を細かくミンチ状に。尾を引いていた海苔が、ここまでくると細かく薄くなっています。
海苔の量と水分量を調整しつつ、最適な量の海苔を海苔簀(のりす)の上にセッティング。ここで濃度が濃いと海苔が分厚く、逆に薄いと海苔の厚みも薄く仕上がってしまいます。工程はほとんど機械化されていますが、規定のほどよい厚みになるよう、均一な品質の海苔ができているかスタッフの皆さんの手でこまめに海苔の状態をチェックしています。
3時間後、乾燥した海苔が続々と機械から出てきました。細かな破れやゴミが付いていないか、カメラと人の手でしっかり確認。どんなに小さなゴミも見逃さない、まさにプロの仕事っぷりです!
収獲からわずか5時間ほどというスピードで海苔が完成!焼き海苔として出荷されたり、味付け海苔に加工する場合は別の工場へ運ばれたりします。
■「すまうら水産直売所」で加工品のショッピングや一風変わったスイーツを堪能
工場見学後は、須磨駅からすぐの直売所へ。工場からも徒歩7分ほどで行けるので、見学後はぜひ立ち寄ってみて。
店内には「すまうら水産のり工場」で加工された海苔を使った商品などを販売。自宅用はもちろん、お土産として購入するのもおすすめです。夏場は海水浴で訪れた人向けに浮き輪などのレジャー用品も販売しているそう。
通常の海苔は1枚の海苔網からシーズン中に10回程度繰り返し海苔を収獲しますが、「すまうら水産」で販売しているブランド海苔『須磨海苔』は “一番摘み”といって、1番はじめに摘み取った海苔を使用。商品のパッケージもおしゃれです♪
シンプルな味わいで巻きずしなどにもおすすめの『焼海苔』(450円)や、ごま油と塩で味付けした『塩海苔』(500円)など、どの海苔も香りがよく、ほどよい厚みがあって食べ応えもバッチリです。人気の海苔がセットになった『ほんの気持ち海苔セット』(850円)は贈り物にもぴったり。
目玉商品は『塩海苔ソフト』(400円)。バニラや抹茶のソフトクリームに、塩海苔をトッピングした珍しいスイーツです。この日はバニラをチョイス。牛乳の濃厚な風味と、塩海苔の甘じょっぱさがマッチしていました。このほか、季節限定フレーバーも登場するので、訪れた際にはぜひ召し上がれ。
■どこまでも広がる海を眺めながら、須磨海岸沿いを散策
須磨海岸にはウォーキングコースも。広大な海とどこまでも広がる大空を眺めながらの散策はとても気持ちが良かったです!西側を見渡せば、明石海峡大橋も望めます。
海岸沿いに植えられた5本のヤシの木。昭和62年に摩耶埠頭から須磨海岸へ移植されたもので、このヤシの木に願い事をすると必ずかなうというジンクスから、「願いの椰子の木」と呼ばれるようになったそう。
船の帆を張る柱・マストを模した時計も。須磨の海のイメージにぴったりの見どころです。
「すまうら水産のり工場」の見学や直売所でのショッピング、須磨海岸の散策など、須磨の海の魅力を感じることができました。皆さんもぜひ足を運んでみてください♪
◇すまうら水産のり工場
【住 所】兵庫県神戸市須磨区須磨浦通6丁目61
【時 間】24時間体制(見学は平日9:00~15:00)
【休業期間】夏期
【見学料】無料(状況によって中止になる場合もあるので、事前に電話でお問い合わせください)
【TEL】078-735-4200
◇すまうら水産直売所
【住所】兵庫県神戸市須磨区須磨浦通4丁目9番8号
【時 間】10:00~17:00
【定休日】毎週水曜日(臨時休業あり)
【TEL】 078-731-5001
【HP】 https://sumaurasuisan.jp/shop
【兵庫テロワール旅 関連情報】
兵庫ならではのテロワールを体験できる“おすすめツアー”をご紹介
源平合戦ゆかりの古刹、須磨寺で特別夜間拝観。副住職による法話と真言密教に伝わる瞑想法である“阿字観”の体験型プログラムです。夏季は幻想的な寺院の夜間拝観という非日常と夕涼みの須磨海岸散策も盛り込み、源平合戦で有名な一の谷の古戦場など歴史文化遺産である須磨エリアの魅力を存分にお楽しみください。
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掲載日:令和4年3月14日