染めの作業を繰り返すこと30回! 3時間がかりの本格体験
宍粟市の山崎町では昔、藍の栽培と藍染めが盛んに行われていましたが、化学染料の登場によって昭和初期に一旦、途絶えてしまったのだそうです。
そんな播州藍染めを復活させたのが、『工房まさき』の正木国枝さん。
蓼(たで)藍を原料に、本藍で染めた糸で服や小物をつくっておられます。
平成9年には「播州山崎藍染織」として兵庫県の伝統的工芸品の指定も受けられたそうです。
そんな『工房まさき』で、藍染め体験をしました。
“体験”なので簡単な作業だろうと軽く考えていたら、3時間ぐらいかかると聞いてびっくり。
教えてくださったのは現在、染色を担当されている息子の正木竣雄さん。
工程としてはまず、染める生地を選びます。私はスカーフをチョイス。
次に、見本を見せてもらいながら、どんなデザインにするかを決めます。
デザインに合わせた染め方を教わり、いよいよ藍の瓶(かめ)へ。
床に埋められた藍の瓶に、生地を浸して絞り、生地を開いて空気に触れさせるという工程を、最低30回以上繰り返します。
染料が飛んで服が汚れる上に、長時間屈んだ態勢になるので、スカートだった私は残念ながら作業を断念。残りの染めの作業は一緒に来た友人がしてくれることに。
なかなか大変そうでしたが、
「黙々と一つの事に集中して、無心になれる感じがいいよね。仕上がりの色が楽しみ」と、友人はご満悦の様子。
30回になった時点で、一度水で洗って染まり具合を確かめてもらいます。
「ちょっどまだ薄いなぁ」と竣雄さん。
さらに10回繰り返した後、再度水洗いして、軽く乾かし、工房での作業は終了です。
この後、自宅に持ち帰って3回ほど水洗いをし、陰干ししたら、遂に完成!
“体験”と呼ばれていますが、内容は実に本格的。体験をきっかけに染色の奥深さハマり、工房に通う方がいるというのも納得です。
『工房まさき』は、播州藍染めを後世に伝えたいとの思いから、藍の瓶(かめ)の開放もされていて、自分が染めたいものを持ち込めます。これは全国でも非常に珍しいことだそう。
竣雄さん曰く、
「藍は天然のものやから、その時々に違う色を出す。化学染料にはない味わいがある」のが藍染めの魅力。
友人が染めの工程をがんばっている間に、私は機織り機も触らせてもらいました。
縦糸の間に横糸を通すのは本当に難しくて、糸を手前に打ち付けるには力も必要で、一本糸を織るだけでも大わらわ(笑)
機織り体験もできるそうです。ランチョンマット2000円~。
工房で作った作品の販売もされています。
がま口財布1700円、トートバック8000円~など。
工房の近くの「ひまわりの家」や、「町家カフェ さんしょう」でも作品を購入できるそう。
藍染めのTシャツが素敵だったので、今度は汚れてもいい服装で来て、全工程を自分で仕上げたいです!
工房DATA:
工房まさき
TEL:0790-62-1664
兵庫県宍粟市山崎町段132
体験はすべて要予約。藍染め体験は4月~10月末頃まで
【HYOGO!ナビ WEBサイト 関連ページ】
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2019年04月05日 16:20 PM
思ったよりはリーズナブルだし、家族で行ってみたいと思います。
2019年05月13日 20:50 PM
去年体験しました!
自分で染めて、出来上がりを見たとき、想像以上に感動しました^^
2022年08月19日 20:31 PM
神戸から移住されてのご活躍、素晴らしく思います。
私は今は大阪府在住ですが山崎町門前出身の67歳です。紺屋町から離れていますが、私の先祖は門前村で染め物屋(大坂屋。酒造の門前屋さんとは先祖が同じ)をしていました。江戸時代から続く家で、祖父の時にはもう染物屋を廃業していましたが、父から「昔、染め物屋をしとって、徳島から丁稚奉公に来る子を預かっとったそうや」と言っていました。信憑性はわかりませんが、事実なんだろうと思います。