神戸から車で40分!都会の喧騒を離れて淡路島の自然の中へ
「森林浴ツーリズム」という言葉を耳にしたことはありますか?
その地域の森林環境を活かした森林浴と観光とを組み合わせて楽しむ新しい旅のスタイルです。
今回、淡路島で森林浴ツーリズムを推進するにあたりモニターツアーを開催するとのことで参加してきました。
まずは農家レストラン「陽・燦燦(はる・さんさん)」に集合。
周りに広がる敷地では玉ねぎやアーティチョーク、ナスなど多種多様な野菜が栽培されています。
農業体験のイベントも定期的に開催されているようですよ。
畑の中の一軒家レストランで旬のお野菜をたっぷり使ったランチで身体の中からリフレッシュ。
スタッフによる生演奏もありリラックスした時間を過ごしたあと、いよいよ森林浴へ。
「森林浴」で心と体を整える
森林インストラクターの資格を持つベテランガイドさんが案内してくださるとのことで、出発前に心構えや注意事項などを聞きます。
森林浴とはただ歩くだけでも気持ちが良いけれど五感を使って楽しむこと。
ただし森にはウルシの仲間など被れることもあるので、植物の見分けがつかない場合は、触ると危険なこともあります。
ハチに遭遇したら避けたり手で払ったりせず、ただじっとハチが去っていくのを待つこと。
マダニにかまれたら無理に引きちぎらず皮膚科で処置をしてもらうこと、などなど。
これらの心構えをきいたのち出発!
意気揚々と歩き始めてすぐ、まだここは畑のなかですがレクチャータイム。
足元に茂っている「カラスノエンドウ」。皆さんも笛を作って遊びませんでしたか?
春先には瑞々しい緑色のサヤもいつしか真っ黒に。黒くなることから「カラス」と名付けられたとか(諸説あり)。そしてなんと「カラス の エンドウ」ではなく「カラス ノエンドウ(野エンドウ)」だとか!
こんな「へぇ~」を聞きながら先へと進みます。
黄色い可憐な花を咲かせているはカタバミ。このカタバミの葉っぱには不思議な力があるのをご存知でしょうか。
酸化して黒ずんだ10円玉をこの葉っぱでこすると、こすった箇所だけピカピカに!
これは葉っぱに含まれるシュウ酸という成分が酸化した銅を溶かしたからなんです。
ヤブムラサキの葉。表面に細かな毛が多く、ビロードのようでフワフワした手触りが気持ちいい~。
見つけるたびに触りたくなること間違いなし!
触ったりにおいをかいだり、たまには口に含んでみたり。
歩き始めて10分もすると日常を忘れすっかりリラックスモードで、自然と顔がほころびます。
「アカメガシワ」は葉の付け根にある『花外蜜腺(かがいみつせん)』でアリを惹きつけています。
アリは昆虫界最強ともいわれており「アカメガシワ」は蛾の幼虫など他の昆虫による食害から自身を守るためアリにパトロールしてもらっているのです。
この「アカメガシワ」の特徴は新芽(葉)が赤いことですが、葉そのものが赤いのではなく赤い色の毛に覆われているからで、白い紙を押し当ててこするときれいな葉拓がとれました!
放ったらかすのが「自然」ではない、手を入れてこそ守れる「自然」がある
いろいろな植物を観察しながら楽しく進んできましたがこんな問題提起も。
生活様式の変化や人口減少により森に手が入らなくなったことで繁殖力の強い竹が増え、他の植物が育たなくなってしまっていることや、ブタクサやシロツメクサなど外来植物が従来の日本の植物を凌駕してしまっていることなど。
またカミキリムシなどの外来生物も被害をもたらしており、このままでは生態系が大きく変わってしまうと危惧されていました。
森や里山を守り豊かな自然を残すためには、適度に手を入れて多様な植物や生物が共存できるよう管理することが必要なのですね。
森林浴にリラックス効果があることは多くの人がもう知っていることでしょう。
うつ状態の改善やメタボの予防など現代人が抱える問題にも良い影響があることが実証されています。
月に2日森林浴をすればその効果は1か月だとか。
旅行先で森林浴を楽しむ「森林浴ツーリズム」。これからは森を目的に滞在先を選ぶのもアリかもしれません!]
今回参加した体験プランの内容は以下URLからご確認いただけます。
https://awaji-resort.pasonagroup.co.jp/program/a_progrum-nouentai-trekking