日本遺産認定「日本六古窯」の一つ丹波焼
瀬戸、常滑、信楽、備前、越前とともに日本六古窯の一つに数えられている「丹波焼」。発祥は平安時代末期から鎌倉時代のはじめといわれており、800年以上にわたる歴史から、価値高い伝統的工芸品とされています。
50以上の窯元があり、それぞれ個性豊かな陶器を作陶
兵庫県丹波篠山市の立杭地区は古くから「丹波焼の郷」として知られており、今でも50以上の窯元が現存し、それぞれの特色あふれた陶器を作成しています。
里山風景豊かな立杭集落で、個性豊かな窯元、それぞれの魅力を発見するのも楽しい。
最古登り窯「丹波焼立杭登窯」の直ぐ近くにある魅力的な窯元
県指定重要有形民俗文化財にも指定されている「丹波焼立杭登窯」は山の勾配を利用して長さ47メートルにわたって築かれ、9袋の焼成室を持っています。丹波焼の現存する最古の窯として見逃せないチェックポイントです。立派な風景が見られる「丹波焼立杭登窯」の近くには多数の窯元があります。今回は、その一つである「市野伝市窯」をご紹介します。
植木鉢に特化した窯元である「市野伝市窯」
植木鉢を専門に作陶されている「市野伝市窯」は、陶器の特性を活かしつつ、植物に最適な植木鉢を作っています。
水はけ、通気性抜群の「丹波焼植木鉢」
植木鉢は、底穴を大きくするなど通気性や水捌けに独自の工夫がなされており、草花の根が腐りにくく美しく育つようです。もみ殻を混ぜ込むなど特別に配合した丹波の土を、轆轤(ろくろ)を廻し、竹製の“トンボ”と呼ばれる昔ながらの道具を使い成形しています。大きさや形は、草花を育てる様々な用途に合うよう幾重にも工夫を重ねられています。
「市野伝市窯」では登り窯とガス窯で二種類の植木鉢を作成。
登り窯で焼成した植木鉢は柔らかい雰囲気を感じられます。ガス窯で焼成した植木鉢は焼き上がりの色や光沢がしっかりしているのが特徴。窯によって質感、色合いなどのそれぞれの美しさがあります。(上部写真、上側はガス窯焼成型丸鉢、下側は登り窯焼成手づくり鉢)
受け継いでいる植木鉢の落款「伝」
市野伝市窯で作成している植木鉢には「伝」という落款があります。これは、初代の市野伝市氏の「伝」を使われています。初代から受け継いでいる思いを大事にされ、現在は第二代目市野達也氏が受け継いで日々植木鉢の作陶にはげんでいます。
◆D A T A
市野伝市窯
住所:〒669-2135 兵庫県丹波篠山市今田町上立杭488
電話:079-597-2413
mail:info@denichigama.com
公式HP: http://denichigama.com/
Instagram:https://www.instagram.com/denichi_gama/