日本刀には魂が入っているとよく言われます。
今でも日本刀は作られているのでしょうか?きっとそう考える方もいらっしゃるでしょう。
今回は、兵庫県相生市にある「桔梗隼光鍛刀場(ききょうはやみつたんとうじょう)」に見学と体験に行ってまいりました。世界遺産・姫路城から車で1時間の距離にある、自然溢れる山中の鍛刀場です。
日本刀の制作は、先ず原料の玉鋼(たまがね)を薄く平に打ち延ばし、小割にして選別、心鉄(しんがね)と皮鉄(かわがね)に分けた後、予め同質の鉄で作っておいた台鉄に、それぞれ積み重ねます。その後、およそ1,300℃まで炭で熱し、鍛接(叩いてくっつけること)します。それから熱した鉄を叩き延ばしては折り返します。心鉄と皮鉄をそれぞれ10数回折り返し、地鉄を作ります。この工程を「鍛錬」といいます。
本日間近に見学するのはこの「鍛錬」の工程です。目の前で火花が飛び散り、迫力満点!
鍛錬でできたパーツを組み合わせて鍛接し、刀の形に伸ばして行きます。この段階で小槌を用いて日本刀の姿がはっきり分かるように打ち出していきます。
その後はヤスリとセンという道具を使い、小さな凹凸を平面になるまで削り整え、更に粗い砥石で綿密に形作ります。刃紋が入るように焼刃土(やきばつち)を塗って、刀身を800~900℃で赤らめ、焼き入れをします。そしてひずみをとり、全体を整えます。
その後、砥石で研ぎ、銘を入れて完成です。
美しく研磨された日本刀に光が当たると、不思議な魅力を感じます。
鍛錬の実演を見学した後、本日の小刀作りの体験に入ります。
刀作りと同様に形にし、ヤスリとセンを使ってひたすら削り整えて行きます。
流石に腕が疲れてきました。でも先生は一心不乱に削っておられるので、生徒の私も頑張らねば!
形のできた小刀に焼刃土を塗り、再び松炭で熾した火に入れ、乾燥、加熱していきます。先生は、真っ赤な小刀の色合いから温度を見極め、“ハイ!”という合図と共に、一気に水に入れて冷却します。
職人の言う“刀に魂を入れる”という言葉が、じゅわーと刀が急激に冷える音と共に、実感として身に染みこんできます。
さて、いよいよ最後の工程、研ぎの作業に入ります。
そして、これは本日私が作った小刀です。一般のナイフと異なり、驚くほど鋭い切れ味です。
兵庫県の長閑な田園風景の中、日本刀の鍛錬見学と小刀作りを体験し、千年も前から伝わる歴史の重みを感じてみませんか。
※日帰りでの小刀作り体験は、一週間前までに予約が必要です。
桔梗隼光鍛刀場は小刀と単刀、太刀を販売していますが、
小刀以外の作品は完全予約制で、半年から一年間の時間がかかります。
◇ 桔梗隼光鍛刀場(ききょうはやみつたんとうじょう)
住所:兵庫県相生市矢野町瓜生羅漢口28 羅漢の里
JR相生駅にて下車、神姫バスで瓜生バス停から徒歩10分
電話:090-8358-4748
HP: https://www.hayamitsu.com/
【HYOGO!ナビ WEBサイト 関連ページ】
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2021年11月30日 19:27 PM
テレビで見て、検索しました。日本の刃物は、世界一と、思ってます。玉鋼から何回も叩いて不純物を取り除き、凄い時間をかけて造られるのが魅力です。焼場土を塗り暗くして、温度を色で見極め一気に冷やして反りが出るのを見るのが最高です。波紋と切っ先の鋭さ、惚れ惚れします。
時間が有るなら、体験してみたいです。小学生の時に、日本刀を持たせて貰う機会があり、鋭さと重さ、怖さが入り交じる何とも言えない感覚でした。大人になり刀剣を持つとどんな感じなのか確かめたいです。剣道と居合いの違いとかも感じてみたいと思ってます。今も刃物を研いで切れ味が良いと気持ちいいです。
人生を半分過ごしてきましたが、日本刀(刃物)の素晴らしいと思う気持ちは変わりません。