特集

FEATURE
JAPAN HERITAGE
伊丹市、尼崎市、西宮市、芦屋市、神戸市

「伊丹諸白」と「灘の生一本」

~下り酒が生んだ銘醸地、伊丹と灘五郷~

  • 伊丹

    現存する日本最古の酒蔵「旧岡田家住宅・酒蔵」(伊丹市・国指定重要文化財)

  • 西宮神社

    西宮市 えびす宮総本社 西宮神社

  • 宮水庭園

    西宮市 宮水庭園

日本遺産ストーリー

Japan Heritage Story

清酒発祥の地「伊丹」と伊丹諸白

江戸時代、江戸の人々が好んだ関西・上方からの諸産物「下り物」の中でも、酒は下り酒と呼ばれ歓迎されていました。特に伊丹の酒は麹米・掛米両方に精白米を使った澄み酒であったため、「伊丹諸白」と呼ばれて珍重され、江戸で人気を博しました。
わが国最古の酒蔵・商家が残る重点景観形成区域「伊丹郷町」や清酒発祥の碑などの文化財を訪れ、下り酒の名産地「江戸積酒蔵・伊丹」として名を馳せた清酒発祥の地・伊丹を体感することができます。

清酒発祥の地・伊丹を体感することができる町並み清酒発祥の地・伊丹を体感することができる町並み
「宮水発祥之地碑」「宮水発祥之地碑」

灘五郷と灘の生一本

六甲山からの伏流水を汲み上げた「宮水」によって、上質な清酒を作る酒蔵が、西宮市の今津郷・西宮郷、神戸市東灘区の魚崎郷・御影郷、灘区の西郷にかけてつくられました。この地区を現在では灘五郷と呼び、その酒は「灘の生一本」として知られています。
芦屋川などの急流を利用した水車による高い精白度の精米や、丹波杜氏と呼ばれる酒造りの職人による酒造方法の確立、酒を樽廻船で江戸へ運ぶのに適した菰樽の開発など、酒づくりの技術や道具を磨き、現代の清酒に繋がる酒造りのスタンダードを築きました。
現在でも、新酒の仕込みが始まる10月には宮水まつりとして宮水の発見された「梅の木井戸」の故地に立つ「宮水発祥之地碑」の前で神事を行い、その後西宮神社にて酒醸造祈願祭が行われます。また、今日華やかな鏡開きに欠かせない菰樽づくりは、尼崎市内企業がその作成技術を継承しています。

酒造家が育んだ文化

江戸積み酒造がもたらした富を、酒造家たちは芸術や文化、教育、建築に注ぎました。フランク・ロイド・ライトの設計の「ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)」は近代建築の代表として知られ、白鶴美術館を始め、酒造家のコレクションを展示する美術館や酒蔵を利用した博物館など、20のミュージアムで地域文化興隆への思いに触れることができます。

近代建築の代表「ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)」近代建築の代表「ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)」

日本遺産周辺
みどころスポット

Pickup Point

日本遺産に認定された各市町にはストーリーの構成文化財をはじめ、歴史と文化を感じる様々なスポットがあります。
是非お気に入りのスポットを見つけて足を運んでください。

日本遺産構成文化財

旧岡田家住宅と旧石橋家住宅

所在地 〒664-0895 伊丹市宮ノ前2丁目5番地
TEL 072-772-5959
入場料金 無料(ただし、美術館・柿衞文庫は有料)
駐車場 なし

年代が判明し現存するものでは日本最古となる酒蔵を有する江戸時代初期の町家「旧岡田家住宅・酒蔵」と、江戸時代後期の町家で県指定文化財の「旧石橋家住宅」。新町家を含む伊丹郷町館として、みやのまえ文化の郷内にあります。

西宮神社と社内の嘉永橋・瑞寶橋

>
所在地 〒662-0974 西宮市社家町1-17
TEL 0798-33-0321
入場料金 無料
見学所要時間 約1時間
駐車場 あり(100台駐車可)

福の神「えびすさま」の総本社として知られる神社。創建時期は平安時代以前と伝えられ、正月・十日えびすには商売繁盛・家内安全を願う150万人の参拝者で賑わいます。1月10日に行なわれる福男選びも有名です。境内神池には酒造家ゆかりの嘉永橋・瑞寶橋2つの石橋がかかります。

宮水発祥の地と宮水庭園宅

所在地 〒662-0927 兵庫県西宮市久保町3
見学所要時間 約30分
駐車場 なし

江戸後期から日本酒つくりに適していることで知られる宮水の井戸を整備した庭園が宮水庭園。中へ入ることはできませんが、外から見学することができます。近くには「宮水発祥之地碑」が立っています。


今津灯台

所在地 〒663-8225 兵庫県西宮市今津西浜町17
見学所要時間 約30分
駐車場 なし

下り酒が積みだされた今津港に建つ常夜灯です。文化7年(1810年)に航海安全を祈って建立、安政5年(1858年)に再建されました。現役最古の木造航路標識です。

観光スポット

小西酒造「長寿蔵」(白雪ブルワリービレッジ長寿蔵)

所在地 〒664-0851 伊丹市中央3-4-15
TEL 072-773-0524
入場料金 無料
見学所要時間 約30分
駐車場 あり

清酒発祥の地、伊丹で天文19年(1550年)に創業した小西酒造。江戸に酒樽を運ぶ途中、雪をいただいた富士山の気高さに感動して「白雪」と名付けました。白雪ブルワリービレッジ長寿蔵レストランでは、出来立てのクラフトビールやお料理を味わうことができ、2階は酒造りが学べるミュージアムも併設しています。

ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)

所在地 〒659-0096 芦屋市山手町3-10
TEL 0797-38-1720
入場料金 一般:大人500円 小中高200円 団体(30名様以上):大人400円 小中高100円
シニア割引(65歳以上):400円※年齢を確認できる証明書(運転免許証など)をご提示ください。
障がい者手帳をお持ちの方:300円※障がい者手帳をご提示ください。付添いの方1名様に限り入館料300円
見学所要時間 約1時間30分
駐車場 あり

大正期、近代建築の巨匠フランク・ロイド・ライトにより、灘の酒造家・八代目山邑太左衛門の別邸として設計された建物。幾何学的な彫刻を施した大谷石や、マホガニーの複雑な木組み装飾、植物の葉をモチーフとした飾り銅板など、自然と融和するライトの建築思想を随所から感じられます。

白鶴美術館

所在地 〒658-0063 神戸市東灘区住吉山手6丁目1-1
TEL 078-851-6001
入場料金 大人/800円 65歳以上・大学・高校生/500円 中・小学生/250円
(大人・大学・高・中・小学生団体20名以上は2割引)
見学所要時間 約2時間
駐車場 無料駐車場あり(大型バスも可)

「世界的価値のあるコレクションを私蔵するのではなく、ひとりでも多くの方の目に触れてほしい」という願いを持った嘉納治兵衛(鶴翁・白鶴酒造7代)によって昭和9年(1934年)に開館された白鶴美術館。戦争と空襲、戦後の混乱、大震災など幾多の苦難を乗り越えながら、価値ある古美術品を現在に残しています。※展示室内は撮影禁止
展示品画像:(左)「唐三彩鳳首瓶(とうさんさいほうしゅへい)」唐時代・(右)「饕餮き龍文方ゆう(とうてつきりゅうもんほうゆう)」殷時代

菊正宗酒造記念館「樽酒マイスターファクトリー」

所在地 〒658-0026 神戸市東灘区魚崎西町1-9-1
TEL 078-854-1029
入場料金 無料
見学所要時間 約2時間 マイスターファクトリー見学会は事前予約制(現在休館中)

「酒造りの原点を知ること」をテーマに、酒造りの過程から用具類に至るまでの知識や現物とのふれあい、灘の酒を醸す技・水・米・風土、酒造りの情熱や伝統にまつわるこだわり、また日本酒をめぐる新しい楽しみ方や文化の姿…など、現在・過去・未来を自在に駆けめぐる日本酒の世界を展開しています。

体験・学び

甲子園歴史館

所在地 〒663-8152 西宮市甲子園町1-82
TEL 0798-49-4509
入場料金 大人600円、こども(4歳~中学生)300円
見学所要時間 約1時間 
駐車場 なし

平成22年(2010年)3月に、全面的にリニューアルした甲子園球場の外野スタンド下にオープンしました。95年以上にわたる球場の歴史と、球場を舞台として数々のドラマを生んできた春・夏の高校野球、阪神タイガースの歴史を展示しています。

白鶴酒造資料館

所在地 〒658-0041 神戸市東灘区住吉南町4-5-5
TEL 078-822-8907
入場料金 無料
見学所要時間 約1時間30分
駐車場 あり

大正初期に建造され、昭和44年(1969年)3月まで本店壱号蔵として稼動していた古い酒蔵を改造して酒造資料館として活用。酒造りの工程をはじめ、当時の蔵人の生活までも知ることができます。利き酒コーナーもぜひ。

白鹿記念酒造博物館

所在地 〒662-0926 西宮市鞍掛町8-21
TEL 0798-33-0008
入場料金 有料 大人500円、小中学生250円(記念館、酒蔵館は共通券)
見学所要時間 約1時間
駐車場 あり(無料)

伝統的酒造りを後世に伝えることを目的に昭和57年(1982年)に開館。明治2年築(1869年)の木造蔵を利用した「酒蔵館」と、酒に関する資料や「笹部さくらコレクション」(西宮市より寄託)等を公開する「記念館」の二棟で構成されています。「酒蔵館」は、展示している酒造道具などと共に、令和2年(2020年)に認定された日本遺産の構成文化財の一部となっています。館内では酒造道具の展示や酒造り映像・酒造り唄の視聴を通じて酒造りの工程を体感できます。

おすすめモデルコース

Model Course

日本遺産に認定された各市町にはストーリーの構成文化財をはじめ、歴史と文化を感じる様々なスポットがあります。
是非お気に入りのスポットを見つけて足を運んでください。

江戸時代、伊丹・西宮・灘の酒造家たちは、優れた技術、良質な米と水、酒輸送専用の樽廻船によって、「下り酒」と称賛された上質の酒を江戸へ届け、清酒のスタンダードを築きました。水を守り、400 年の伝統と革新の清酒の歴史と今とともに、阪神間の文化の興隆を感じることができます。

START!
1日目スタート!
spot

1

旧石橋家住宅

江戸時代後期に建てられた商家で、建設当初の店構えを残しています。江戸時代から戦後までの宮ノ前や石橋家の歴史の紹介や、博物館所蔵の火鉢・机・タンスなどを展示。全国の工芸作家の作品を展示・販売する「伊丹郷町クラフトショップ」も。

住所 伊丹市宮ノ前2丁目5番28号(伊丹市立伊丹郷町館)
TEL 072-772-5959
営業時間 10:00~17:00※入館は閉館の30分前まで
定休日 月曜(祝休日の場合は翌平日)、12/25~1/1
spot

2

白雪ブルワリービレッジ長寿蔵ミュージアム

杜氏や蔵人によって使われた昔の酒造りの道具、130種200余点を詳しく紹介。遊びながら学び、楽しめる「おもしろ博物館」をテーマとした、ビールと日本酒に関するインタラクティブな参加型ミュージアム

住所 兵庫県伊丹市中央3丁目4番15号
TEL 072-773-0524
営業時間 11:30~17:00
定休日 毎月第二火曜日、年末年始
spot

3

酒蔵のある町並を散策

清酒醸造法確立の地、伊丹の隆盛を今に伝える風景。最近は、お洒落なレストランやカフェなど、個性的な飲食店などが軒を連ねている

場所 JR伊丹駅から阪急伊丹駅へ繋がる通り
spot

4

西宮神社

福の神、えびす様をおまつりする神社の総本社。酒造家ゆかりの嘉永橋・瑞寶橋も見どころ

住所 兵庫県西宮市社家町1?17
TEL 0798-33-0321
開門時間 4~8月 5:00~19:00
9,3月 5:00~18:30
10~2月 5:00~18:00
定休日 なし
spot

5

宮水発祥之地碑

宮水の井戸を整備した庭園。中へ入ることはできませんが、外から見学することができます。近くには「宮水発祥之地碑」が立っています。

住所 兵庫県西宮市社家町1-17
TEL 0798-33-0321
営業時間 9:00~17:00
定休日 なし
spot

6

甲子園博物館

95年以上にわたる球場の歴史と、球場を舞台として数々のドラマを生んできた春・夏の高校野球、阪神タイガースの歴史を展示しています。

住所 兵庫県西宮市甲子園町1-82
TEL 0798-49-4509
営業時間 10:00~18:00(11月から2月は、10:00~17:00)
定休日 月曜日(試合開催日、祝日を除く)

有馬温泉

六甲山の北麓に位置する、日本三古湯、日本三名泉の一つに挙げられる有馬温泉。豊臣秀吉が愛したことでも知られており、現在でも昔ながらの情緒あふれる温泉街が広がります。

住所 神戸市北区有馬町
TEL 078-904-0708(有馬温泉観光総合案内所)
START!
2日目スタート!
spot

7

ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)

大正期、近代建築の巨匠フランク・ロイド・ライトにより、灘の酒造家・八代目山邑太左衛門の別邸として設計された建物。幾何学的な彫刻を施した大谷石や、マホガニーの複雑な木組み装飾、植物の葉をモチーフとした飾り銅板など、自然と融和するライトの建築思想を随所から感じられます。 ※水・土・日曜日と祝日に開館。

住所 芦屋市山手町3-10
TEL 0797-38-1720
営業時間 10:00~16:00(入館は15:30まで)
定休日 月・火・木・金曜日(祝日の場合は営業)
(イベント開催中は異なる場合あり)
spot

8

白鶴美術館

東洋古美術を中心とした美術館。「世界的価値のあるコレクションを私蔵するのではなく、ひとりでも多くの方の目に触れてほしい」という思いから、白嘉納家(白鶴酒造創業家)7代目当主嘉納治兵衛によって開館されました。※会期中のみ開館

住所 神戸市東灘区住吉山手6丁目1-1
TEL 078-851-6001
開館期間 2020年9月24日(木)~12月13日(日)
営業時間 開館期間中10:00~16:30(入館16:00まで)
定休日 毎週月曜日(祝日の場合は翌平日)
spot

9

灘の酒蔵めぐり

灘五郷と呼ばれる5つの地域のうち、今回は御影郷を散策。白鶴、菊正宗、「福寿」で有名な神戸酒心館などの酒蔵に加えて、甲南漬と灘五郷とのかかわりや140年にわたる歴史、みりん作りに関する道具の展示などがある甲南漬資料館も見学して

住所 神戸~西宮
GOAL!
お疲れさまでした!