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本格的な「活版印刷」体験!シンプルで美しい世界に一つだけの便箋を作る【廣運舘活版所 - honmachi -】-兵庫テロワール旅-

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私がレポートします!

稿
サキ テロワール研究員
女性
30代
兵庫県丹波市
ゴルフ、旅行
生まれ育った丹波市に今年Uターンで戻ってきました。旅行業界で働いていた経験を活かし、丹波市の観光PRの仕事をしています。
丹波市インスタ公式アカウント:
https://www.instagram.com/saturdaytamba/ も担当中。旬な情報を配信できるように、あちこち走り回っています。

 


「兵庫テロワールlab.」テロワール研究員レポート
食や文化を味わい楽しみ、それらが生まれたルーツや背景を探り、受け継いできた人の想いや技術に触れる。大地の恵みを堪能する“兵庫テロワール旅”の情報を、現地で体感した「テロワール研究員」の視点でお届けします。

 

丹波市の老舗印刷会社が復活させた『廣運舘活版所 -honmachi-』
好きな文字で組版もできる約1時間半の活版ワークショップを体験してきました!

 

「活版印刷(かっぱんいんさつ)」をご存知ですか?
ハンコのような金属の「活字」にインクを塗り、紙に押し当てて転写するというもので、幕末・明治~昭和40年代後半まで広く普及した印刷手法です。
丹波市に、全国的にもとても希少な「活版印刷」が体験できる施設があるのでご紹介します!

 

 

JR福知山線柏原駅から徒歩8分の場所にある「廣運舘活版所 - honmachi -」。
地元の印刷会社「きくもとグラフィックス」の代表・菊本裕三さんが開いた活版印刷所です。
足を踏み入れるとまず目に飛び込んでくるのが、ハンコ状になっている大量の金属製の活字。

 

 

《菊本さん談》『今はもうほとんど製造されていないので、廃業する印刷所などから活版印刷機や活字を譲り受け、数年かけて集めました』。

 

菊本さんが活版印刷事業を復活させるきっかけとなったのは、一冊の古書。実家の遺品を整理していて発見した『花の栞』という明治時代の本です。

 

 

 

《菊本さん談》『100年以上前のものですが、色鮮やかで立体的でとても美しい作品がたくさんありました。しかもその中の一頁に、曾祖父が勤めていたと考えられる丹波市柏原町の「廣運舘活版所」の名が記されてたんです。当時の印刷職工の技術の高さに目を奪われて、自分でもこんな作品を作ってみたいと思ったんです』。

 

活版印刷に魅せられた菊本さんは、技術を習得する傍ら、数年かけて機械や道具を収集。2018年、「廣運舘活版所」の名前で活版印刷事業を復活。
一昨年から始まった活版ワークショップは、名前などを入れてオリジナルの紙製品が作れるとあって、活版愛好家や文具愛好家を中心にじわじわと人気が上昇中なんです。
そんな活版ワークショップを私も体験してきました!

 

 

体験メニューは2種類。
30分程度でできる「ミニカード作製」と、本格的な活版印刷体験ができる「ミニレターセット作製」です。
まずは「ミニカード」1,100円(カード10枚)づくり。

 

 

10種類ほどの版の中から絵柄を決めたら、好きな色のカードを10枚選びます。
選んだ版とカードを“手キン”と呼ばれる手動印刷機にセットしたら、ぐぐっとレバーを押すと、あっという間に出来上がり!この作業、なんだか楽しい!

 

 

仕上がったカードは微かに違う凸凹感に、手作業ならではの味わいがあります。

 

 

次に、「ミニレターセット作製」3,300円(便箋30枚)にも挑戦。
こちらは約1時間半かかる本格的な活版印刷体験です。
まず色や書き心地などを比べ、好きな用紙を選びます。

 

 

次に、レターヘッドのモチーフと下部に印字する文字を決めるのですが、これがとっても悩ましい!散々悩んだ挙句、レターヘッドはペンギンのモチーフ、下部には自分の名前を入れることに。
下部に入れる文字の「活字」を一文字ずつ拾って、文選箱に入れていきます。

 

 

 

必要な「活字」が揃ったら、金属枠の中にそれぞれの活字を配置して、「組版」を作ります。字と字の間を均一にしたり、中心を揃えたり、動かしても字がズレないように固定したり、細い金属柱の活字を組む作業は難しい!
気が付けば夢中で、ずっと無言で作業に没頭(笑)

 

 

版ができたら、印刷機に組版をセットし、手で一枚ずつ紙をセットして印刷します。
刷り出される便箋を見てると、想像以上に上手にできて感動!
非効率を楽しむって、贅沢な体験だと思います。

 

 

一枚一枚ほんの少しずつインクの濃淡が違うけれど、完璧すぎないのが逆に手作業ならではの特別感があって素敵です。この便箋を使って、母の日とかに手紙を書いてみようかなって思います。

 

《菊本さん談》『活版印刷は、2つとして同じものにならないのが面白さなんです』。

 

 

「廣運舘活版所」では印刷物のオーダーも受け付けていて、特に人気なのが名刺。
印象に残る名刺が欲しい人に好評だそうですよ。

 

 

 

工房内にはショップコーナーもあり、レターセットやカード、メモ帳など、シンプルで美しい紙製品が並んでいます。菊本さんの活版愛が溢れた紙モノは、どこか懐かしさを感じさせてくれます。

 

老舗文具店が開いた文房具カフェ

 

 

活版印刷体験の立ち寄りにおすすめなのが、車で約8分の場所にある文房具カフェ『Another NOTE』。
地元の老舗文具店が2024年3月にオープンしたお店で、レトロなものから新製品まで多彩な文具が揃っています。

 

 

憧れの万年筆や高級ボールペンもショーケースにズラリ並び、書き味を試すこともできます。

 

 

奥にはカフェコーナーがあり、パティシエが毎日店内で焼き上げるキッシュやタルトが頂けます。大阪の名店『タカムラコーヒー』監修のオリジナルブレンドも評判。
写真は、キッシュにスープ・サラダ・ドリンクが付いたランチセット1,100円。

 

 

さらに、カフェを利用すると、マステやペンなど話題の文房具セットが無料で借りられるというユニークなサービスもあります。

 

 

店内は広々していて寛げる雰囲気なので、活版印刷体験で作ったカードや便箋を使ってゆっくり手紙を書いてみるのも素敵だと思います。

 

DATA:
◇ 廣運舘活版所 - honmachi -

兵庫県丹波市柏原町柏原3618
Tel:050-3595-2277
土日のみ営業:土曜10:00~18:00、日曜10:00~17:00
※ワークショップは予約制
https://kohunkankappan.jp/

 

◇ Another NOTE
兵庫県丹波市柏原町母坪409-1
Tel:0795-73-3066
営業時間:10:00~18:30(LO18:00)
水曜定休
https://www.tsp-group.jp/anothernote/

 

※記事中の価格はすべて税込みです。

 

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掲載日:令和6年5月10日       グルメ 

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