アートな港町神戸で体験する。Aquarium ×Art のユニークな融合「átoa」

アートな港町神戸で体験する。Aquarium ×Art のユニークな融合「átoa」

神戸にまるで、美術館のような水族館があるのをご存じですか?

その名はátoa。最先端のデジタルアートが融合した新感覚の水族館では、五感を刺激するユニークで美しい体験ができるんです!

日本ならではの美意識に彩られた、唯一無二の施設を紹介します。

 

 

港町神戸に誕生したátoaは驚きの連続! はたしてここは水族館?それとも美術館?

 

 

 

átoaは2021年、神戸のベイエリアに開業しました。

「人々の興味関心が多様化する時代に、新しい水族館のカタチを提案したい」という思いのもとつくられた、アートと融合した劇場型の水族館です。

 

アクセスは神戸の玄関口、三ノ宮駅からバスで約8分。歩いても20分ほどの距離です。

 

まず訪れて驚くのは、まるで巨大な岩のようなその外観です。これは、地殻変動によって隆起した大地と浸食する水により生まれた造形がモチーフになっているのだとか。海と山に挟まれた神戸ならではのデザインです。

 

 

 

エントランスのある2階までは、エスカレーターで登っていきます。まるで岩の切れ目の中に入っていくような演出に自然と期待が高まります!

 

átoaはテーマの異なる8つのゾーンで構成されており、約100種類、3000の生きものが共存しています。

 

展示物には英語表記も多く、受付で伝えれば英語のパンフレットをもらうこともできるので海外の旅行者にとっても安心です。

 

▲「CAVE/はじまりの洞窟(Cave of the Beginning)」ではグッピーやピラニアなどの熱帯魚が中心に展示されています

 

まず来場者を迎えてくれるゾーンは「CAVE/はじまりの洞窟(Cave of the Beginning)」は洞窟のような空間。魚の群れをイメージした光の演出は没入感満点!

 

 

▲「MARINE NOTE/生命のゆらぎ(The Fluctuation of Life)」にある「メガシリンダー(Mega Cylinder)」は直径5mの円柱型水槽。átoaで最も大きな水槽の一つです。

 

海の中をイメージしたゾーン「MARINE NOTE/生命のゆらぎ(The Fluctuation of Life)」では、一歩足を踏み入れるとさわやかな海を思わせる香りを感じます。

 

香りにまでこだわった水族館って、とても珍しいと思いませんか?

 

ゾーンごとに聞こえてくる音楽が異なるのもátoaの特徴です。まるで劇場に迷い込んだような不思議な体験ができるので、ぜひ五感を解放して全身で楽しんでみてください。

 

 

 

 

 

átoaの空間演出は、生きものや自然の美しさ、ユニークさに気づかせてくれるものです。

 

ネオンカラーの魚やユニークな姿の生きものたちを見ていると、彼ら自体が自然の生んだアートなのだと実感できることでしょう。

 

ちなみに、すべての演出は生き物にストレスのかからないように配慮されており、光が直接水槽に当たらないようにするなど工夫されています。

 

átoa

住所:〒650-0041 兵庫県神戸市中央区新港町7-2(Google map

営業時間:10:00~19:00(最終入場18:30)※特定日は営業時間変更の場合があります。HP(日本語のみ)に詳細は記載しています。

定休日:なし※メンテナンス休館日あり

サイト:https://atoa-kobe.jp/

 

átoaで見られるのは魚だけじゃない! 森の中を歩くような自然体験も魅力

 

 

▲毎日、お昼ごろはゾウガメたちのお散歩タイム。ゾーンの中を自由に歩き回ります

 

átoaでは、魚だけではなく生きものたちの姿も見られます。

 

とくに、霧が立ち込める樹海の森をイメージして作られた「ELEMENTS/精霊の森(The Forest of Spirits)」ゾーンでは、アルダブラゾウガメ(Aldabra Giant Tortoise)やパルマワラビー(Parma Wallaby)のほか、最長30年も生きるといわれるハダカデバネズミ(Naked Mole Rat)などの珍しい動物とも出会えます。

 

▲ツギオミカドヤモリ

 

写真は、全長が最大40㎝にもなる世界最大のヤモリ、ツギオミカドヤモリ。

そのほか水中を泳ぐイモリや蛍光カラーのカエルなど、森にすむユニークな生きものたちを見ることができます。

 

 

 

このゾーンを象徴するテラリウムは、本物の植物と立木を組み合わせたもの。開業時に比べると、かなり成長しているのだそうですよ!

 

 

必見!日本の美と自然が融合するアート空間

 

 

 

日本の四季やわびさび*をテーマにしたゾーンが「MIYABI/和と灯の間(Light and Shadow)」です。

 

この空間では、アーティストの酒井敦美氏による作品が壁一面に展開されます。

酒井氏が得意とする「光の切り絵」は幾重にも切り絵を重ね、光を当てることで幻想的な世界を生み出します。

 

 

 

 

音楽に合わせて優雅に動く影絵の演出は繊細かつ迫力満点! 来場者の「すごい!」という歓声があちこちから聞こえてきます。

 

▲金魚は日本で約500年前から観賞用として愛されている魚。実は真上から見るとより美しく見えるので、átoaで確かめてみてください

 

錦鯉や金魚など、古くから日本で愛されてきた生きものが展示されているのもこのゾーンの特徴です。

 

 

・遊び心のあるアートをいくつ見つけられる?

 

 

átoaには、あちこちにアートが飾られています。その数なんと約50点! いくつか印象的な作品を紹介します。

 

 

▲「蛸富士(TAKO FUJI)」

 

▲アートには金色のネームプレートが添えられています。小さな作品もあるので、これを目印に探してみてください

 

まずご紹介するのが「蛸富士(TAKO FUJI)」というこちらの作品。タコの模様が、とても細かいと思いませんか?

実は作者のMr.Amazer氏は生きものを迷路に仕立てた作品を描くアーティスト!この作品はタコの模様が迷路になっています。

 

「蛸富士(TAKO FUJI)」は、兵庫県を代表する海の生き物、明石だこ**を富士山に見立て、浮世絵風に描いています。

 

 

こちらの作品はニボシ***をモチーフにした作品を数多く手がけるNAMIKO氏による「niboshism【循環】ー右に赤くズレる世界ー(niboshism【circulation】-World shifted red to the right-)」。

 

これら常設のアート以外にも、企画展やイベントが開催されます。来るたびに違う楽しみがあるのもátoaの魅力です。

(企画展などの情報はホームページに掲載されています)

 

*わびざび.....わびさびは、日本独特の美意識で、シンプルさ、不完全さ、そして移ろいゆくものの美しさを尊重します。これは、自然の中での静けさや古びたものの味わい深さを称賛する考え方です。

**明石だこ……兵庫県の明石海峡付近に生息するマダコの呼称。

***ニボシ......小魚を煮て乾燥させた食品。日本料理でダシを取るために利用される。

 

 

まだまだある!時間を忘れる驚きの数々

 

 

 

átoaの面白さは、見て体験するだけではありません。来場者の知的好奇心を刺激してくれる仕掛けもたくさん!

 

そのひとつが「átoa LAB」です。壁一面を覆う書棚に約2500冊の本が並び、まるで水の中の図書館のようです。

 

ジャンルは「地球と大地」「自然美と芸術」など実に多様。英語の書籍や写真集なども多くあるので、言語の壁を超えて楽しめます。

 

 

 

もうひとつ、注目してほしいのがこちらのウォールアートです。

 

「BLUE CARBON」とは海草や海洋生物などに取り込まれた炭素のことで、地球温暖化の抑制の重要な要素として注目されています。

 

このアートにはブルーカーボンの役割や、とくに炭素を多く吸収する海草のアマモの生態について紹介されています。

 

楽しみながら、自然環境の保全や環境問題への注目を促す試みです。

 

アクアリウムを堪能したら、グルメやショッピングも満喫しよう

 

 

▲展望テラスは神戸のベイエリアを一望できる開放的な場所

 

 

▲ドリンクに添えているクッキーは、とぼけた表情が最高に可愛い!

 

 

展望テラスにあるカフェはキュートで美味しいグルメの宝庫! とくにカワウソをモチーフにしたグルメやスイーツは、食べるのをためらうほどの可愛さです。

 

▲ átoaで飼育しているコツメカワウソが実際に抱き合って眠る様子

 

 

カワウソをデザインしたホットドッグは、抱き合って眠るカワウソの習性から着想を得たものなのだそうです。

 

ぜひ、実際のコツメカワウソも展示されているので見比べてみてください!

 

 

▲ハダカデバネズミのスイートポテトは、しわの一本一本までリアル! 実物はぜひ「ELEMENTS/精霊の森(The Forest of Spirits)」ゾーンで見てみてください

 

 

ミュージアムショップも可愛いアイテムが盛りだくさん。

 

一番人気は、見た目もインパクト抜群! átoaで飼育しているハダカデバネズミをモチーフにしたスイートポテトです。

 

 

▲フードホールの天井の一部がátoaの水槽とつながっています。フードホールでは、神戸牛など神戸グルメのお店がたくさん入っています

 

 

実はátoaはそれほど大きな施設ではありません。ホームページに観覧の目安として書かれている所要時間は1時間です。

 

しかし、実際に訪れてみると思わず写真を撮りたくなる素敵な演出や、居心地の良い空間に何度も足が止まり、気づけばあっという間に3時間が過ぎていました。

 

水槽でつながっている1階のフードコートでカフェやディナーを堪能したら、átoaの周囲に広がる港町の夜景をお楽しみください!