レトロな風情溢れる温泉街・湯村温泉

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レトロな風情溢れる温泉街・湯村温泉

兵庫県には、城崎温泉や有馬温泉など、数多くの温泉があります。温泉の数が多いだけでなく、それぞれが異なる泉質や風景、そして独自の文化を持っていることも、大きな魅力です。

 

中でも兵庫県北部で日本海側に面し、城崎温泉から車で約1時間の場所にある「湯村温泉」は、平安時代から続く歴史ある名湯で、泉質が肌に良いことで「美人の湯」としても知られており、ノスタルジックでコンパクトな街並みや、98度という高温の源泉で食材を「湯がく」文化など多くの楽しみ方があります。周辺には、水着で温泉や温水プールに入れる施設に個性的なカフェも並んでいます。さっそくその魅力をみていきましょう。

 

 

昼夜で表情が異なる、レトロな「湯村温泉」で街歩き

 

 

湯村温泉は、神戸・姫路からはJR山陰本線でJR浜坂駅で下車、そこから全但バスで約25分、またはJR山陰本線でJR八鹿駅で下車、そこから全但バスで約75分でアクセスすることができます。さらに、湯村温泉行きの全但バスの特急バスが大阪(日本語のみのため、翻訳機能を活用してください)から運行しており、約3時間ほどでアクセスできます。

 

バスで到着し、バス停から少し道を下っていくと、素敵な景色が目の前に広がっています。朱色の橋に、風にそよぐ柳の木…。とても風情のある街並みです。

 

春来川(はるきがわ)沿いに広がる温泉街は、足湯スポットや旅館、飲食店が集まっているので、徒歩で様々なスポットを巡ることができるコンパクトさが特徴です。

 

湯村温泉は肌にやさしく、美肌効果や体の芯から温まる効果が期待できるため、「美人の湯」として昔から親しまれてきました。日本では、美肌効果があるとされる温泉のことを「美人の湯」と呼びます。

 

 

お昼の景色も美しいですが、夜の温泉街も素敵です。日が暮れると、川沿いのレトロな電灯や日本画の絵灯籠*にあかりが灯り、昼間とはまた違った美しさを堪能できます。

 

*絵灯籠は夏の期間だけ設置されます。

 

 

日本屈指の高温泉で「湯がき」文化を味わう!

 

 

ホテルのチェックインを済ませたら、最初に向かいたいのが「荒湯(あらゆ)」です。

 

湯村温泉の源泉は「荒湯」と呼ばれており、その温度は98度。日本屈指の高温泉として知られています。

 

 

もくもくと湯気が立っている荒湯。近くに寄ると、強い熱気を感じます。

 

野菜などを短時間、お湯に入れてしんなりとさせることを「湯がく」と言います。荒湯では毎分470ℓの温泉が自噴しており、卵や野菜を、湯がいて食べるという温泉地ならではの風習があります。観光客も近くのお店で卵や野菜を買って荒湯で湯がいて食べることができます。湯村温泉街には63カ所の源泉があり、総湧出量は毎分2300ℓと大変豊富で、各家庭にも配湯されています。

九州にある別府温泉は「地獄蒸し」という温泉の蒸気で「蒸す」文化がありますが、こういった温泉地ならではの文化はとても興味深いです。

 

 

お腹も空いてきたので、さっそく近くの売店で卵を買い、湯がき専用のエリアがあるのでそちらに卵をセットして10分ほど待ちます。

 

 

 

出来上がった卵は、塩がついていないのにほんのりとした塩気がありとても美味しかったです。(売店で卵を購入するときには塩もいただけるので、そちらを使うこともできます。)

 

お腹が満たされたら、荒湯のすぐ下にある川沿いの足湯へ。

 

 

 

温かいお湯に、旅の疲れが癒される足湯。目の前には春来川で泳ぐ鯉や温泉の景色が綺麗に見え、美しいです。街歩きをしながら、ふとした時に足湯でリラックスできるのは湯村温泉ならではの楽しみ方と言えます。

 

 

 

 

 

「栃の実」を使ったご当地スイーツや、個性的なお店を巡る!

 

 

荒湯の紹介で湯村温泉の「湯がく」文化について触れましたが、湯がく食材に迷ったらぜひ、荒湯からすぐの「栃泉」へ。お店の入り口には、卵や野菜はもちろん、プリン、日本酒、コーヒー、お酒など、想像を超えるほど充実したラインナップに驚かされます。

 

 

 

 

 

もう一点、「栃泉」で忘れてはいけないのが「とち餅」や「とち大福」といった、栃の実を使ったスイーツです。

 

 

栃の実のアク抜きをして渋味を取り、もち米と一緒に蒸し上げて作られたとち餅やその中にあんこを入れたとち大福。実際に食べてみると、独特の香ばしさがあり、クセになる美味しさ!昔ながらの味と製法を守り続けている栃泉で、本場のとち餅やとち大福を味わってみてはいかがでしょうか?

 

 

栃泉から徒歩約3分の場所にある「遊月亭 おばあかふぇ」にも立ち寄りました。

築130年の古民家を改装したこのカフェを切り盛りするのは、平均年齢77歳(取材時)のおばあたち。「いらっしゃい!」という明るい声に迎えられて入店します。

 

 

 

店内の壁には、ズラッとおばあたちの語録がありました。「人生ピークは90歳!」など、元気溢れる語録が壁一面に貼ってあります。

 

 

そこには、「おばあの定義」もありました。

 

「〜おばあの定義〜

其の一:人の話を聞かない!

其の二:我道を行く

其の三:ボロクソに言われてもへこたれない!」

 

手書きの絵や文字も味わいがあっていいですね〜。

 

 

「まぁお茶でもどうぞ」と進められて席につくと、まず店内には「おばあ開運元気神社」という小さな神社が目に入り、ふと前を向くと、大きな但馬牛のレプリカが佇んでいたり、ただ店内を見ているだけで飽きない個性的な雰囲気を楽しめます。

 

 

このカフェの名物は「おばあの根性焼き」という大判焼き。栃もちと地元の小豆「美方ルビー」を使った、今川焼きで、時に豪快にはみ出すあんこが特徴です。「90歳になっても根性で焼く!」というおばあの気合いが商品名になっています。

 

 

 

 

「おばあの初恋の味(栃おはぎ)」は、但馬地方の親戚の集まりなど食べられていたおはぎを再現した懐かしの味。手間をかけてアク抜きされた栃の実をたっぷり使った餅は、風味豊かで甘みもほどよく、何個でも食べたくなる味わいです。

 

 

優しい味とユーモラスな店内、元気なおばあたちに、元気をもらえる「遊月亭 おばあかふぇ」。ぜひ一度は足を運んでみてください。

 

 

水着で5種類の温泉を楽しめる「リフレッシュパークゆむら」へ

 

 

日本では、裸で、他のお客さんと一緒に温泉に入る文化があります。初めての方は、なかなか馴染めない方も多いのではないでしょうか?湯村温泉にはこういった一般的な温泉に加えて、水着で様々な露天風呂やプールを楽しめる素晴らしい施設があります!

 

湯村温泉のバス停から少し丘を登ったところにある「リフレッシュパークゆむら」は、さまざまな温泉を満喫できるスポット。広々とした施設内には、5つの露天風呂、8つの健康風呂と室内温泉プールがあります。水着をレンタルして、自然に囲まれた露天風呂やプールを堪能できるので初めての方でも安心です。(※健康温泉は水着着用不可)

 

 

更衣室を出て一番近くにあるのは、広々とした温水プール。天井が高く、窓から外の木々の緑が見えるところも、開放感があって良いですね!露天風呂には、そこから階段を登って向かいます。

 

露天風呂の一つ「四季風呂」は四季折々の景色を楽しめる温泉。お風呂の外に広がる美しい景色を眺めたときに、ここまで登ってきた理由がわかりました。

 

 

4mの滝が流れ落ちる様子に圧倒される「滝風呂」に、洞窟を抜けた先に広がる絶景が素晴らしい「洞窟展望風呂」、湯村温泉のある但馬地方では酒つくりが有名なことにちなんで酒樽を模した「酒樽風呂」、北欧のような雰囲気を楽しめる「蒸気風呂」など、どれもユニークで文化を楽しめる、素晴らしいものばかり。これらの露天風呂は全て水着着用で混浴なので、ひと目を気にすることなく、一緒に来た友人ととびっきりの絶景とお風呂を堪能することができます。

 

 

 

 

 

 

無料のリラックススペースが充実していることも「リフレッシュパークゆむら」の魅力です。入浴や水泳に疲れたら畳敷きの休憩室でゆっくり休むことができます。

 

 

 

お腹が空いたら、近くにあるレストラン「楓」がおすすめ。シェフが目の前で焼いてくれる、本場但馬ビーフを味わいましょう!

 

 

 

 

リフレッシュパークゆむらの利用料金は1,000円(露天風呂、プール、健康風呂エリア)。水着のレンタル代は500円(※そのうち100円はデポジットとして返却されるので実質は400円)と、これだけ様々な施設があるにも関わらずとても良心的なお値段です。

 

基本的にタトゥーのある方の利用をお断りしていますが、水着を来て利用できる露天風呂とプールエリアはラッシュガードやシールなどでタトゥーが見えないように隠せば、利用できます。

 

日本の行楽シーズンは混み合うこともあるので、時期を外していけば、素晴らしい温泉と絶景を独り占め出来るでしょう。ぜひ、たっぷり時間をとって、プールや温泉をゆったりとお楽しみください。

 

 

温泉だけじゃない!様々な旅の選択肢がある北兵庫への旅

 

水着で楽しめる温泉施設に、地元のグルメや個性的なカフェがある湯村温泉。その周辺にもぜひ足を伸ばしてい欲しい魅力的なスポットが点在しています。タクシーで10分程の場所にあり、但馬牛と触れ合える「兵庫県立 但馬牧場公園」や、透明度抜群の海で様々なアクティビティーを楽しめる竹野海岸など、見どころがいっぱい。時間に余裕をもってのんびりと兵庫県の北部を旅してみませんか?

 

但馬牛をしって味わう体験の詳細はこちら

 

湯村温泉の行きか帰りに立ち寄りたい、竹野のカヌーツアーの詳細はこちら

 

湯村温泉

住所:〒669-6821 兵庫県美方郡新温泉町湯(Googlemap

営業時間:24時間(施設により異なります)

定休日:なし

サイト:http://global.yumura.gr.jp/

 

リフレッシュパークゆむら

住所:〒669-6821 兵庫県美方郡新温泉町湯1371(Googlemap

営業時間:10:00〜19:00(受付終了18:30)

※混浴露天風呂 10:00 〜18:00

(※露天風呂18:00終了)

定休日: 木曜

サイト:https://www.refresh.co.jp/spa-pool/(日本語のみになるので翻訳機能を活用してください)

 

栃泉

住所:〒669-6821 兵庫県美方郡新温泉町湯1250(Googlemap

営業時間:9:00〜17:00

定休日:火曜

サイトURL:http://tochisen.jp/(日本語のみになるので翻訳機能を活用してください)

 

遊月亭 おばあかふぇ

住所:〒669-6821 兵庫県美方郡新温泉町湯1261(Googlemap

営業時間:10:00〜17:00

定休日:火曜・木曜

サイト:https://www.yuzukitei.com/obacafe(日本語のみになるので翻訳機能を活用してください)