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日本最古のラーメン店「大貫」とジブリ感満点の「グリル一平」-兵庫テロワール旅-

  • 摂津(阪神)
  • グルメ

私がレポートします!

稿
吉川真理子テロワール研究員
女性
30代
兵庫県尼崎市
街歩き、料理
大学講師や尼崎市博物館職員を経て、現在あまがさき観光局で働いています。近代史が専門なので、フィールドワークも兼ねて尼崎の町を探索するのが趣味です。あまがさき観光局公式Instagram (@ama_kankou)にも時々登場して、尼崎のおすすめグルメやスポットを紹介しています。

 


「兵庫テロワールlab.」テロワール研究員レポート
食や文化を味わい楽しみ、それらが生まれたルーツや背景を探り、受け継いできた人の想いや技術に触れる。大地の恵みを堪能する“兵庫テロワール旅”の情報を、現地で体感した「テロワール研究員」の視点でお届けします。

 

現存する日本最古の中華そばの店
大正元年創業「大貫本店」

 

尼崎を代表する老舗グルメを2軒ご紹介します!
どちらも地元で長年愛され、遠方からも多くの人が訪れる名店です。
1軒目は、現存する日本最古のラーメン店「大貫(だいかん)本店」。
全国からラーメンファンが訪れるお店です。

 

 

阪神電鉄・阪神尼崎駅から徒歩約5分。
尼崎中央商店街の一番街と三番街の間を北に入ってすぐに看板が見えます。
「大貫本店」の創業は大正元年(1912年)。
今年112年目を迎えた、現存するラーメン店で日本最古を誇るお店とのこと。

 

 

四代目の千坂創さんに、お店の歴史について聞きました。

 

《千坂さん談》『初代の曾祖父が20代の時、浅草にあった日本初の中華そば専門店「来々軒」のおいしさに感動して、自分も中華そばの店をやろうと思ったそうです。そして曾祖父は、神戸の外国人居留地の中国料理店で、中国人シェフから足踏み製麺の技術を学び、日本人として初めて居留地で中華そば店を開業しました』。

 

戦後、尼崎へ移転しましたが、現在も味や足踏み製麺による製法は変わらず受け継がれています。

 

 

《千坂さん談》『中華そばのベースは、創業から継ぎ足し続けている醤油の素(もと)ダレです。110年以上かけて熟成したものなので、レシピはあっても作り直しも再現もできません。
お客さんが食べてくれはるからタレが減って継ぎ足せるので、初代は「お客さんが作ってくれてはるタレや」と言うてました。阪神大震災でも奇跡的に失わずに済んだうちの家宝です』。

 


▲ 中華そば(普通サイズ)960円(税込)

 

厚みのあるチャーシューがドドーンと乗った中華そば。
豚骨スープですが見た目のこってり感に反して、さっぱりとした味わい。まろやかな中に少しお醤油のパンチ力があって、百年熟成のここにしかない味を堪能できます。
昔ながらの足踏み製法で作られた自家製たまご麵のもちもち感もおいしい。

 

 

「大貫本店」で創業から受け継がれている、もう一つの看板メニューがやきめしです。
直径130㎝の巨大な中華鍋とスコップを使い、まず一気に約100人前を「地焼き」して、中華そばと同じ醤油素ダレを均一に焼き上げます。そして注文が入ってから、さらに炒めて仕上げます。

 

 

パラパラさ加減がすごいやきめしは、旨味たっぷりでしっかり目の味。ビールにもよく合います(笑) チャーシューやたけのこ、干しエビなど具だくさんなのも嬉しい。
尼崎市のふるさと納税の返礼品にもなってるんですよ。

 


▲ やきめし(並)990円(税込)。ラーメンとセットの場合100円引き

 

中華そばとやきめしの両方を食べて欲しいと、やきめしはミニ・小・並・特大のサイズが用意されていますが、ミニでもこれでミニ⁉って感じのボリュームです。嬉しいんですけど(笑)

 

《千坂さん談》『今や五世代続く常連さんもおられるんです。僕と同年代のお客さんが、昔はおじいちゃんと来られてたのが今はお孫さんを連れて来て下さる。なんか食べたくなるねん、なんか好きな味やねんって言ってもらえるのが嬉しい』。

 

蔦に覆われたインパクト大の外観が話題
昔ながらの洋食屋さん「グリル一平」

 

 

 

2軒目は、1974年創業の老舗洋食店「グリル一平」。
阪神尼崎駅から徒歩5分ほどの場所にあります。
緑の蔦が絡まるこんもりとした外観がジブリ映画を彷彿させると話題で、常連さんだけでなく、遠方からわざわざ訪れる人も多いんです。

 

 

 

1階と2階の2フロアあるレトロな雰囲気の店内は、ランチタイムや週末になると連日満席の人気ぶり。
オーナーシェフ・佐藤俊一さんが創業以来、頑固に守り続けているのが10日間かけて作る自家製デミグラスソースです。

 

 

《佐藤さん談》『メリケン粉とニンニクやオリーブオイルなどを弱火で2昼夜かけて炒めます。これを色んな野菜や牛すじなどでコトコト煮込んだスープに加え、10日間かけてデミグラスソースに仕上げます。作り方は創業から50年以上変わりません』。

 

自家製デミグラスソースがかかったハンバーグは、肉汁がにじみ出し、濃い旨味の中にトマトのやさしい酸味が加わったデミグラスソースが絡み、絶品です。

 


▲「ハンバーグ定食」スープ・ライス付き1,700円(税込)

 

オムライスやナポリタンに使うトマトソース、カレーなども、デミグラスソースと同じスープを使い、化学調味料などは一切使わずすべて手づくり。

 

《佐藤さん談》『創業から50年以上になりますけど、ずっと変わらず手間暇かけて作ってるから続けて来られたと思うんです。他にはない味やから、この味が食べたいってお客さんが来てくれるじゃないかな』。

 


▲「Bランチ」ライス付き2,300円(税込)

 


▲「レディースランチ」スープ付き 1,700円(税込)

 


▲ 季節限定の「カキフライ」 1,200円(税込)

 

他にも、エビフライやクリームコロッケなど多彩な洋食メニューが揃っています。
お手頃価格で人気の「サービスランチ」900円や「一平ランチ」1,100円など、ランチメニューはディナータイムでも楽しめるんですよ。

 


▲「一平ランチ」ライス付き 1,100円(税込)

 

毎週土日の夜は、2階フロアでクラシック・ギターやピアノの生演奏も行われるので、音楽を楽しみながら食事ができます。

 

「大貫」も「グリル一平」も、昔ながらの味と心意気を守り継ぐ名店。
世代を超えて愛される尼崎が誇る絶品グルメです!

 

DATA:
◇ 大貫本店

兵庫県尼崎市神田中通3丁目29
Tel:06-6411-9583
営業時間:11:30~19:00
水曜定休
https://www.daikan-honten.com/

 

◇ グリル一平
兵庫県尼崎市東難波町5丁目15-14
Tel:06-6482-5834
営業時間:11:30~14:00(LO)、木曜~日曜のみディナーも営業17:00~20:00 (LO) 
水曜定休(ディナー営業は不定休)
https://grill-ippei-ama.com/
https://www.instagram.com/grill_ippei_ama/

 

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掲載日:令和6年12月6日

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