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低カロリーでヘルシー!元祖ジビエ料理「ぼたん鍋」を発祥の地・丹波篠山で -兵庫テロワール旅-

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私がレポートします!

稿
西家佳音テロワール研究員
女性
20代
兵庫県丹波篠山市
バイクのツーリング
2022年8月、第11代丹波篠山観光大使に就任しました。生まれ育った町なのに知らないことがたくさんあって、PR活動を通じて色々な経験ができることを楽しんでいます。丹波篠山市は、自然豊かで人が温かく、“ふるさと”というイメージそのものの場所なので、ほっと心和む時間が過ごせると思います。ぜひ遊びにきてください。

 


「兵庫テロワールlab.」テロワール研究員レポート
食や文化を味わい楽しみ、それらが生まれたルーツや背景を探り、受け継いできた人の想いや技術に触れる。大地の恵みを堪能する“兵庫テロワール旅”の情報を、現地で体感した「テロワール研究員」の視点でお届けします。

 

脂たっぷりに見えるけれど、実は天然の猪肉は低カロリーでヘルシー
丹波篠山には「ぼたん鍋」が食べられる店が約40軒。猪肉の販売店もあります

 

日本の元祖ジビエ料理といえる「ぼたん鍋」。
実は丹波篠山が発祥の地なんです。
日本では食べなれている人は少ないと思いますが、ジビエは西欧ではお馴染みの高級食材。高たんぱくで栄養価が高いのに低カロリーなため、美容や健康に良いと近年は日本でも注目度が高まっています。

 

 

今年3月、地域に根付いた食文化を国内外にPRする文化庁の「100年フード」にも選ばれた丹波篠山の「ぼたん鍋」。
江戸時代創業の「料理旅館 髙砂」支配人・檜田哲也さんに、丹波篠山のぼたん鍋について教えてもらいました。

 

 

まずは歴史から。

 

《檜田さん談》『猪肉は縄文時代から食べられていたとされますが、味噌仕立ての鍋で食べる「ぼたん鍋」が誕生したのは明治時代です。
明治41年(1908年)頃、訓練で篠山に駐屯していた陸軍歩兵部隊第70連隊が、捕獲した猪肉を料理屋に持ち込んだ際、味噌仕立ての鍋として供されたのが「ぼたん鍋」の始まり。その美味しさに感動した兵士たちが、丹波篠山の猪肉の美味しさを郷里で語り広めたそうです』。

 

 

その評判から、ぼたん鍋はおもてなし料理として、料理旅館を中心に広がり、丹波篠山の名物料理として定着。
さらに昭和20年(1945年)頃、地元の老舗料理旅館が、猪肉を牡丹の花に似せて盛り付けるようになると、上質な猪肉に美しい見た目も加わって話題となり、「丹波篠山のぼたん鍋」は全国に知られるようになったのだとか。

 

 

 《檜田さん談》『丹波篠山の猪肉の質が高い理由は、大きく2つ。
1つ目は、丹波栗や丹波松茸などの産地として知られる丹波篠山は、餌となる木の実などの山の恵みが非常に豊富。
2つ目は、周囲を囲む山々は起伏に富んだ地形で、冷え込みは厳しいものの雪は少ないため、イノシシは冬場も含め年中、大自然の中を駆け回って育つからです。
自然のものを食べて野山を走り回る天然のイノシシの身につくのは、必要最低限の脂だけです。そういう脂は、多価不飽和脂肪酸がたっぷりで燃えやすく、悪玉コレステロールをやっつけて、血液をサラサラにしてくれるんです』。

 

 

脂の質が良く、カロリーは牛肉より低く、鉄分やビタミン類も豊富。
脂たっぷりの見た目ですが、実は、ぼたん鍋はとてもヘルシーで美容にも良いのです。

 

 《檜田さん談》『猪肉の脂からは、コクのある深い旨味が出ます。木の実の香りと風味が染みた、天然にしか出せない滋味です。
猪肉は煮込むほど柔らかくなるのが特徴なので、じっくり煮込むのですが、体にやさしい脂の旨味が染み出し、一緒に煮込む野菜も格段に美味しくなります』。

 

 

実際に、「料理旅館 髙砂」のぼたん鍋を頂きました!
ぼたん鍋は、一般的な鍋とちょっと調理方法が違います。
最初に、昆布を入れ、煮立ったらすぐに昆布を取り出します。
そこに隠し味の山椒を加え、秘伝の味噌を溶かし入れたら、まず猪肉を投入。
軽く煮込んだ後でたっぷりの野菜を加え、さらに30分~1時間煮込みます。

 

 

《檜田さん談》『ぼたん鍋はひたすら煮込むのがポイントなので、煮込み時間は最低30分。そこからはお客様のお好みです。初めて食べる方には、30分から食べ始めてみてください。
あっさりした味わいから、次第に煮込まれて柔らかくなっていく、ぼたん鍋ならではの美味しさを楽しんで頂けると思います。
常連のお客様には1時間以上煮込むのが好きな方もいて、「待ちきれないから煮込み始めておいて」と到着前にお電話を頂くこともあるんですよ(笑)』。

 

 

煮込み始めてから30分で、ひと口目を頂きました。
柔らかいけど歯ごたえがある猪肉は、脂身が優しい甘みで、驚くほどあっさり上品な味わい。
よくイメージされるジビエの臭みやクセは全くなくて、とっても美味しい!
野菜も、脂と出汁の旨味がたっぷり染み込んでいます。

 

 

 

《檜田さん談》『うちは、昆布だしと、少し甘めの合わせ味噌がベースです。美味しさの鍵は、秘伝の味噌ですね。
丹波篠山のぼたん鍋は味噌ベースが基本ですが、出汁や味噌の配合などは店によって全く違うんですよ。
猪肉の部位によっても食感や旨味が変わります。
ロースは柔らかくて淡泊。肩肉は風味が濃く、バラは硬めですが噛むほど旨味がにじみ出てきます』。

 

今回頂いたのはロース。
そんなこんなで、1時間ほど煮込んだロースは、脂身がとろとろに。

 

 

鍋といえば〆も重要なポイントですが、ぼたん鍋の〆は、雑炊でもうどんでもありません。
残ったスープに人数分の卵を割り入れ、半熟になったところで白ご飯にかけて頂く半熟卵乗せご飯です。
満腹でも食べずには終われない美味しさですよ。
今回食べるのに夢中で写真を撮り忘れたので、上の写真はお借りました(笑)

 

 

 

「料理旅館 髙砂」は、嘉永元年(1848)創業の老舗。
古丹波の壺や骨とう品が彩る館内はギャラリーさながらの雰囲気です。
お料理が盛られる器は丹波焼で、野菜も地元篠山産のものがほとんどだそうで、丹波篠山を五感で堪能できます。
食事のみの利用もできて、ぼたん鍋は1人前6,050円(税込)~。2名以上で事前予約が必要です。

 

店舗情報から楽しみ方まで網羅
丹波篠山の「ぼたん鍋ガイド」

 

他にも、丹波篠山には現在、ぼたん鍋が食べられるお店が約40軒あり、ぼたん鍋ガイドのパンフレットも製作・配布されています。

 

 

◇ 丹波篠山ぼたん鍋ガイド
https://tourism.sasayama.jp/botannabe/

 

専門店をはじめ猪肉が購入できる店舗が複数
お家でも、天然ジビエの鍋&焼肉が楽しめます! 

 

 

 

丹波篠山には、猪肉が購入できるお店も数軒あります。
例えば、「丹波篠山おゝみや」は、全国でも珍しい天然猪肉の専門店。
味噌が付いた「ぼたん鍋セット」が5,240円(400g・2~3人前)~。
猪肉を焼肉で食べる「焼ぼたん」も人気で、2,700円(400g・2~3人前)~。
※価格はすべて税込

 

 

私はシンプルに塩焼きにした「焼ぼたん」が大好きです。
寒い冬は、普段とはひと味違うジビエ焼肉やぼたん鍋で、家飲みも楽しいですね。

 

丹波篠山のぼたん鍋は、狩猟解禁の11月15日から3月末頃までがシーズン。ぜひ食べに来てください。

 

※現在(2022年12月)は丹波篠山産のイノシシ肉は市場に流通していません。

そのため、市内各店舗では今シーズンは、市外から仕入れたイノシシ肉を使用しています。

 

DATA:
◇ 料理旅館 高砂

兵庫県丹波篠山市二階町6
TEL:079-552-2158
営業時間:11:30~21:30
定休日:火曜日
食事のみの利用も可。
ぼたん鍋:一人前6,050円(税込)~ ※2人前以上で要予約
http://takasago-ryokan.net/

 

◇ しし肉専門店 丹波篠山おゝみや 本店
兵庫県丹波篠山市乾新町40番地
TEL:079-552-0352
営業時間:9:00~17:00(冬期は~19:00)
定休日:水曜日(冬期は無休)
https://www.oomiya.com/

 

◇ 丹波篠山ぼたん鍋ガイド
https://tourism.sasayama.jp/botannabe/
お問い合わせ:
丹波篠山観光協会
TEL:079-506-1535
https://tourism.sasayama.jp/

 

※記事中の価格はすべて税込みです。

 

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掲載日:令和4年12月9日   体験 グルメ 

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