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- 北前船で一時代を築いた豪商
淡路島に生まれ、兵庫津で廻船業を始めた高田屋嘉兵衛(たかたやかへえ 1769-1827)は北前船を駆って、蝦夷(えぞ)地への交易ルートを開拓。果ては日露友好にも尽力しました。
嘉兵衛より四半世紀前、高砂に生まれた工楽松右衛門(くらくまつえもん 1743-1812)も廻船業で名を成し、幕府から択捉の築港を命じられ、一足早く蝦夷地に渡航。私費を投じて函館に造ったドックを、後に函館に進出する嘉兵衛に譲るなど、兵庫が生んだ2人の豪商は遠く離れた北の大地でつながっていたのです。
日本海と瀬戸内海に面する兵庫には数多くの北前船の寄港地がありました。とりわけ、赤穂の坂越は広々とした通りに庄屋だった屋敷や白壁の土蔵が立ち並び、塩の積み出しでにぎわった往時の面影を今に伝えます。
※このモデルコースは 日本遺産STORY#039 の一部を含みます
【出発】 JR三ノ宮駅
- 神戸三宮BT(8:00) →(高速バス)→ 高田屋嘉兵衛公園(9:25)
- 徒歩
高田屋顕彰館
郷土が生んだ豪商の足跡を伝える
高田屋嘉兵衛公園「ウェルネスパーク五色」にある資料館。嘉兵衛が初めて建造した北前船「辰悦丸」の模型をはじめ、船磁石、船箪子(だんす)などを展示しています。
洲本市五色町都志1087 ☎ 0799-33-1600
- 開館時間
- 10:00~17:00
- 休館日
- 火曜(祝休日の場合は翌平日)
- 入館料
- 500円、高・大生300円、小・中生200円
- アクセス
- 【鉄道】JR「舞子」駅から高速バス「高田屋嘉兵衛公園」下車すぐ
【車】神戸淡路鳴門自動車道「津名一宮」ICから約25分
- 高田屋嘉兵衛公園(11:10) →(高速バス)→ 高速舞子(12:05)
- JR舞子駅(12:18) → JR神戸駅(12:34)
- 徒歩
西出鎮守稲荷神社
創業の地にあるゆかりの神社
嘉兵衛が廻船業を興した兵庫区西出町にある神社。鳥居の両脇には、嘉兵衛が海上交通の安全を祈願して奉納した石灯籠が立っています。
神戸市兵庫区西出町680 ☎ 078-671-3338(七宮神社)
- アクセス
- 【鉄道】JR「神戸」駅から徒歩約10分
【車】阪神高速3号神戸線「柳原」から約3分
竹尾稲荷神社
境内には嘉兵衛の顕彰碑
19世紀初期の創建といわれ、「文化十年酉十一月吉日」(1813年)、「文政元年寅六月吉日」(1818年)と刻まれた2基の石灯ろうが残っています。境内に立つ嘉兵衛の顕彰碑は、もともと近くの小学校にあったもので、震災後の統廃合に伴い移設されました。
神戸市兵庫区七宮町1-3-18 ☎ 078-671-3338(七宮神社)
- アクセス
- 【鉄道】JR「神戸」駅から徒歩約10分
【車】阪神高速3号神戸線「柳原」から約5分
- 近くには高田屋本店跡の碑も
大輪田泊石椋
清盛ゆかりの港の遺材
北前船の寄港地として栄えた兵庫津。前身の大輪田泊は奈良時代に行基が築造し、平安後期に平清盛が大改築して日宋貿易の拠点となりました。石椋とは、石を積み上げた防波堤や突堤の基礎のことで、1952年、新川運河を拡張する際に出土しました。
神戸市兵庫区島上町2
- アクセス
- 【鉄道】市営地下鉄「中央市場前」駅から徒歩約5分
【車】阪神高速3号神戸線「柳原」から約5分
兵庫津 バル北前船
日本遺産認定を記念して新商品が登場
兵庫商人をルーツに持つ海産物問屋「樽屋五兵衛」が2017年に、灘の酒といかなごのくぎ煮などの肴を取りそろえたバルを出店。“北前船昆布ロード”にちなんで開発した「昆布でチップ」は土産物としても人気です。兵庫津の観光パンフレットを置いており、見どころの案内もしています。
神戸市兵庫区中之島2-1-1 イオンモール神戸南 ☎ 078-681-0511
- 営業時間
- 16:00~20:00
- 定休日
- 無休
- アクセス
- 【鉄道】JR「神戸」駅から地下鉄「ハーバーランド」経由で「中央市場前」駅下車、徒歩約5分
- JR神戸駅(16:38) →(三ノ宮・谷上経由)→ 神戸電鉄有馬温泉駅(17:23)
有馬温泉(神戸市北区)
関西を代表する名湯
日本三古泉の一つで、赤褐色の“金泉”と無色透明の“銀泉”という泉質の異なる湯が湧出しています。関西の奥座敷として格式の高い旅館が立ち並ぶ一方、日帰り入浴が楽しめる公共の外湯「金の湯」「銀の湯」もあります。
- 問い合わせ
- 有馬温泉観光案内所 ☎ 078-904-0708
- アクセス
- 【鉄道】JR「三ノ宮」駅から高速バス「有馬温泉」下車すぐ
【車】阪神高速7号北神戸線「有馬口」から約5分
- 神戸電鉄有馬温泉駅(8:54) →(谷上・三ノ宮経由)→ JR加古川駅(10:07)
- レンタサイクル
工楽松右衛門旧宅
工楽家代々に受け継がれてきた屋敷
工楽松右衛門の生誕地、高砂市の堀川地区は加古川舟運の拠点として発展。白壁の三連蔵などが今も残り、2018年6月からはゆかりの邸宅が一般公開されています。入館無料。
高砂市高砂町今津町532 ☎ 079-490-4790
- 開館時間
- 9:00~18:00
- 休館日
- 12月29日~1月3日
- アクセス
- 【鉄道】JR「加古川」駅からレンタサイクルで約30分
【車】加古川バイパス「加古川西」「加古川」ランプから約20分
松右衛門帆本店
北前船の帆がトートバッグに
松右衛門が航行のスピードアップを目的に発明した日本最古の帆布を現代によみがえらせ、おしゃれなトートバッグや小物などを販売。観光客の人気が高く、お土産にもぴったりです。
高砂市高砂町今津町510 ☎ 079-440-9031
- 営業時間
- 10:00~17:00
- アクセス
- 【鉄道】JR「加古川」駅からレンタサイクルで約30分
【車】加古川バイパス「加古川西」「加古川」から約20分
にくてん
高砂のご当地グルメといえばこれ。甘辛く煮込んだスジ肉とコンニャク、ジャガイモが入ったお好み焼きで、市内のお好み焼き店で味わえます。
(一社)高砂市観光交流ビューロー ☎ 079-441-8076
- JR加古川駅(13:53) → JR坂越駅(14:32)
- 徒歩
坂越大道
塩の積み出しで栄えた港町
坂越港と高瀬舟の発着場があった千種川を結ぶ通り。赤穂城下で製造された塩は高瀬舟で運ばれ、大道を通って、坂越港で北前船に積み込まれました。沿道には「坂越まち並み館」や「旧坂越浦会所」など江戸時代の建物が残っています。
赤穂市坂越
- 問い合わせ
- 坂越まち並み館 ☎ 0791-48-7770(火曜休)
- アクセス
- 【鉄道】JR「坂越」駅から徒歩約20分
【車】山陽自動車道「赤穂」ICから約20分
奥藤商事(株)
坂越大道に面する1601年創業の蔵元。江戸時代には廻船業も営んでいたことから、酒蔵の一角に設けた資料館には酒造りや廻船に関する道具を展示しています。銘酒「忠臣蔵」の利き酒も。
赤穂市坂越1419-1 ☎ 0791-48-8005
- 営業時間
- 9:00~17:00
- 定休日
- 日曜、祝休日、年末年始
- アクセス
- 【鉄道】JR「坂越」駅から徒歩約20分
【車】山陽自動車道「赤穂」ICから約20分
- JR坂越駅(17:51) → JR三ノ宮駅(19:05)
【到着】 JR三ノ宮駅