冬は、発酵がいちばん“静かに力を発揮する”季節です。
気温が下がることで発酵の進み方が穏やかになり、香りや味の変化をじっくり確かめながら育てていける。
味噌などを冬に仕込む文化が根づいてきたのは、まさにこの「ゆっくり育つ時間」があるからです。

このワークショップは、そんな冬の入口に、発酵を「知る」から「始める」へと踏み出す一日。
神戸で、国産大豆を使って醤油を仕立て、白味噌を育てはじめます。
醤油づくりには、養父市の老舗・大徳醤油で丁寧に造られた麹を使用し、
兵庫の風土に根ざした素材で、発酵の基本を体感します。

その場で完成させるのではなく、持ち帰ってから日々の変化を見守り、
自分の暮らしの中で発酵を“理解していく”体験。
仕上がりは、自家製醤油 約2Lと、変化が見えやすい1か月白味噌 約500g。
発酵が初めての方でも、無理なく手応えを掴める設計です。

講師は、ONEBEANS合同会社 村上さん。
「人と地球に優しくありたいと」丹波篠山市で農家と発酵屋を営む「ONE BEANS」の代表。
無農薬・無化学肥料で黒豆や米を育てる一方、丹波杜氏の文化に着目し、
地域の元蔵人から学びながら麹づくりを継承。栽培から麹、発酵調味料まで一貫して手がけています。

醤油や味噌づくりは、手順だけをなぞっても、同じ味にはなりません。
素材の個性、麹の状態、塩、温度、混ぜ方——
小さな違いが、風味として確かに現れます。

自分で仕込んだ醤油や味噌は、日々育っていく過程も含めて愛着が湧き、
使うたびに「自分で作った」という楽しさを感じられるもの。
完成した味を知ってしまうと、市販品にはなかなか戻れない、
そんな声が多いのも、この体験ならではです。

冬の発酵を、ただの憧れで終わらせず、暮らしの中で育てていく。
兵庫の素材と文化を手がかりに、発酵の基本を体で覚える——
そんな“はじまりの仕込み”をご一緒できたら嬉しいです。

【こんな方におすすめ】
・発酵や手仕事に興味はあるけれど、まだ一歩踏み出せていない方
・市販品では味わえない、「自分で作る醤油・味噌」の楽しさを知りたい方
・発酵をレシピだけでなく、暮らしの中で続けていきたい方